サードウエーブに自由な生き方をするにはコントロールも必要
サードウエーブコーヒーになぞらえて、サードウエーブ経済とか、サードウエーブ会計事務所という単語を出しましたが、サードウエーブの底流にあるコンセプトに「自由に生きる」というのがあります。
サードウエーブコーヒーにしても、従来からあるコーヒーの流通形態すなわち、農家→精製業者→商社(間に入る商社は、現地の商社、国内の商社など、複数になる場合もあり)→ロースター→カフェや豆のお店という、間に業者がいくつも入ることによる「豆の素性がごちゃまぜになって不明確になってしまう流通ルート」という「束縛」、コモディティ(商品取引所で取引される商品)という「束縛」から自由になっていったものだと捉えられます。結果として、ロースター兼バリスタが現地の農家から直接仕入れるという流れが生まれました。
サードウエーブコーヒーを扱うコーヒースタンドもまた、街にたくさんあるチェーン店を中心としたコモディティー的な、画一的な経済から自由になりたい、自立して「自分のお店」を出したいという「自由に生きる」ことへの欲求から生まれたととらえられます。
いま、このコーヒー業界の流れと同様の「自由に生きる」流れが、働き方改革やAI化の流れと相まって、あちこちで起こっていて、経済全体に波及しつつある、会計税務の業界も例外ではない、ということです。
さて、自由というのは、拘束されない、束縛されないという意味が大きいのですが、よく言われるように何のコントロールもない自由というのは、あまりにもとりとめのない、自由に大空を飛んでいるように見えるけれども、ただ単に風にあおられているだけであったり、突風が吹けば意図しない方向に飛んで行ってしまう、凧のようなものです。
自由の重要な要素として「自らに由る」という要素があるならば、セルフコントロール、自己管理・統制というのは自由を手に入れるためにきわめて重要なものだといえます。自由に大空を舞う凧にも一本の糸が必要なように。
時間とお金が自由ならば、行動も自由にできますが、時間とお金も十分に管理できてはじめて、より行動の自由度を高められるといえます。コントロールして捻出する、といったところです。
時間ならば、タスクリストを作ったり、仕事や予定を完遂する時間を決めて守ったり、終了時間には強制的に終了したり。
お金ならば、会計ソフトに日々の収入と支出をもれなく記入して、差引の残高は手元にある現金とあっているか毎日必ず確認するといった具合に。現金出納帳ですね。
お店をやっていても、現金出納帳をつけないでどんぶり勘定をしているところが少なくないようですが、どんぶり勘定のままだと、知らず知らずのうちに自由なお金を得にくくなります。お金を使うことはお金を得ること以上に難しく、お金を使う際の慎重さを欠きやすくなるうえ、知らないうちにお金が無くなっていても気づかなかったりします。
毎日収入と支出を会計ソフトやエクセルに記録して、差引残高を合わせれば、日々の振り返りにもなるし、知らないうちにお金が無くなるということを防げるし、無くなってしまったとしても気が付きやすくなります。
個人事業主ならば店と生活費のお金が混在しがちなのでお店の会計ソフトだけではなく家計簿もつけたいものです。
結局、帳簿に記録するのは、サードウエーブに自由に生きるためであって、税務署がとやかく言うからではありません。会計ソフトや家計簿に記録して自由度を高めましょう。
(本投稿の執筆時間 45分)