キャッシュレスにすることで時間と体力と気力に余裕を
現金に触れる、数える、ATMで入金する、引き出す時間は馬鹿にならない
2021年の今、キャッシュレス決済はかなり浸透してきたと感じていますが、現金しか受け付けないお店や会社はまだまだ少なくありません。
キャッシュレス決済をメインにし、現金を極力財布に入れないようにしている私は、「現金以外は使えません」と言われてしまうと、そこで食べようとか買おうという気持ち、購買意欲が萎えてしまいます(どうしても好きでかつよく行くお店は別ですが、わざわざATMに行って引き出すのが大変面倒なので)。
さて、当事務所のクライアントにも現金商売(現金売上)の方はいらっしゃるところですが、現金商売では以下のような管理が必要であり、それにかかる時間と労力は馬鹿になりません。
- 釣銭準備金を用意する
- 一日の営業終了時に売上金を数える
- 売上金がジャーナル(売上日報のレジシート)と一致していることを確かめる
- 営業終了時の店の現金有高を金種表に記録する
- 現金有高と金種表と、現金出納帳や(元帳の)現金勘定と一致していることを確かめる
- 不一致の場合には、紛失、盗難等が無かったかなど、原因を確かめる
- 売上金と釣銭準備金を分けて保管する
- 売上金は売上日毎に袋やケースに入れて保管する
- 翌営業日にATMに行って、売上金を店ないし会社の口座に預け入れる
- 釣銭準備金で必要な金種(紙幣や硬貨)を揃えるために両替する
キャッシュレス決済を導入すると、時間に余裕が生まれる
もし、現金商売を止めて完全にキャッシュレス決済にできれば、現金を触る必要のある上記の業務を無くせます(不一致のあった場合の調査は残り得ますが)。
業務を無くせるということは、その業務にかかっていた時間が「まるっと空く」ことを意味します。
もっといえば、上記の業務は単純作業で構成されるものの、数える、記録する、一致を確かめる、預けに行ったり引出したりという現金に触れる作業は神経を使い、疲労しやすいといえるのではないでしょうか?
キャッシュレスの導入により現金の管理業務を削減することで、神経をすり減らすことが少なくなり、時間はもちろん、体力や気力にも余裕が生まれるのではないでしょうか?
ところで、資本主義経済を前提とする以上、企業の現金は企業の信用そのものといえるものであり、現金をどのように扱うかは、その企業の経営管理やビジネスに対する誠実性がよくあらわれるものです。
現金の扱いが雑だったり、スキや穴があったりすると、営業や人事や製造やサービスといった企業経営の他の部分にもそれが波及してしまい、経営難に陥る可能性が高まることは経験則上明白です(個人のレベルでもお金の管理がルーズな人は信用できないのと、とてもよく似ています)。
クライアントが現金商売をする場合には、上記の現金管理をインストラクションしますが、キャッシュレスの流れが加速する現在では、そもそもキャッシュレス決済を導入するようインストラクションするようにしています。なお、当事務所もキャッシュレスです(振込が原則で、補完的にPayPayを使用しています)。
時間に余裕があることはビジネスの強みになる
昔から時間は経営資源と言われてきました(経営資源=ヒト、モノ、カネ、時間、情報)が、現在においては「働き方改革」のムーブメントもあいまって、時間の重要性がますます高まっています。
また、2010年ころから「今後は遊びと仕事が融合する時代になる。単純労働や単純作業が無くなっていく。労働しなくてもすむようになる」と言われていました。
現金管理という労働に要した時間とエネルギーを、どこに振り向けるか、それが重要な問題なのですが、違う単純作業に振り向けるのではなく、遊びに振り向ける。遊び心のある企画やアクションに振り向けるのが最も良いのではないでしょうか。クリエイティブな活動に振り向けると言ってもいい。
さらに、時間外労働をせずにしっかり休むことも重要です。そのほうが時間外労働をしてしまった場合よりも「遊べる」はずです。
時間に余裕があればあるほど、遊び心のあるコトに触れやすくなり、その積み重ねでイノベーションが起こっていく。
イノベーションはビジネスの強みですから、時間に余裕をもつことはビジネスの強みになると考えます。
当事務所は「キャッシュレス決済を入れてみてはどうですか?」と言い続けますが、他にもペーパーレスを推進したり、クラウド会計(当事務所はfreee)のみ使ったり、クラウドストレージを使っていますが、すべて「時間に余裕を持たせて、遊んで、クリエイティブに動いて、イノベーションを促進する」ことを意図してやっていますし、今後もその方針を一層強めてまいります。