「センセイ(先生)」と呼ばれるようでは「まだまだだな」と思っています。

公認会計士も税理士も弁護士も司法書士も行政書士も弁理士も不動産鑑定士も社会保険労務士も中小企業診断士も土地家屋調査士も一級建築士も医師も、「士」のつく職業(医師は「師」ですが)はほぼ、「センセイ(先生)」と呼ばれます。「専門家」の意味合いを込めてのことと思われます。

業界に入りたての、まだ業界や実務に対する理解(いまよりもさらに若かったので、下手をすると世間に対する理解も)のほぼない時期は「センセイ」と呼ばれることに「快感」~偉い人になったかのような気分~を覚えてしまった時期もありました。

業界に入った1999年から起算して18年、さすがに今では「快感」など覚えません。むしろ逆というか、センセイと呼ばれるごとに未熟さとか、信頼関係ができていないなと思うのです。

☆「センセイ」と呼ばれるのは、そう呼ぶ人との心理的距離がかなり空いている

呼ぶ人がどのような意図や感情をもって「センセイ」と呼ぶのか、多くの場合は、プロとしての仕事や成果を期待して「センセイ」と呼ぶと思いますが一方で、「この人は信用できるかどうかわからないな」「距離を置きたいな」という黙示的でかつ潜在的な意図もあると思います。信頼感、親近感というニュアンスはほぼ無く、呼ぶ人と呼ばれる人との間の距離がかなり空いていて、多少の緊張関係を感じます。

☆「センセイ」と呼ばれるようでは、認められているとはいえない

この考え方は、最初に勤めた監査法人(中央青山監査法人広島事務所(当時))のパートナー(社員といい、監査法人の共同オーナー兼経営者であり、監査業務の責任者です)から教えて頂いたことです。呼ぶ方は、十分信頼できないからこそ「センセイ」と呼び、ときには仕事の実力が不十分だから冷やかしで「センセイ」と呼ぶのだ、ということです。真に実力のあるプロフェッショナルで、かつ尊敬に値するならば、親愛の情もこめて「さん」付けでよび、心理的にもっと近いお付き合いをするものだと。

勤務時代に大変お世話になった業界の大先輩、パートナーですが、この考え方に触れ、「センセイと呼ばれるようではまだまだダメだなあ」「センセイという呼ばれ方をされるようでは信頼関係を築いているとはいえないなあ」と思うようになりました。

☆「さん」付けがノーマル。「先生」だと距離がかなり空き関係の構築上ギクシャク感が残る

例えば、公式に(パブリックに)紹介する・されるときに敬称として「先生」を付すのは良いと思っています。しかし、直接お相手の方を目の前にして「センセイ(先生)」と呼ぶのは、かなり距離が空いてしまい、親しい関係を築きにくくなる感じがします。通常の人間関係なら「さん」付け、通常よりも親密で仲の良い関係性あるいはそれを望むならニックネームで呼びますが、「センセイ(先生)」というのは通常よりも距離を置きたいというニュアンスが出ると思います。

最近は、商工会議所に設置されている研究会(通称6次産業研究会)に出席する機会があり、そこでも士業のひと同士「センセイ」と呼び合っていますが、逆に「さん」付けで呼ばないのに違和感を覚えてしまいました。「風通し悪くならないかなあ」という。協働してプロジェクトを遂行する間柄ならば普通に「さん」付けの方がベターと思うのは私だけでしょうか。

☆公認会計士も税理士も(それ以外の士業も)偉くはありません。

士業になるための道のりは、難関国家試験にパスしなければならないなど、容易とは言えません。しかしだからといって、士業は偉くないと私は考えています。

優れた仕事や業績を残したり、人格的に優れているから偉いとは言えますが、士業即偉いとは言えません。さらには、仕事や業績や人格が優れていても「先生」とは呼びません。親しみを込めて「さん」付けでお呼びしたくなります。

過去にはついついまわりの「センセイと呼ばなければならない、一種の威圧的な」雰囲気に押されて「センセイ(先生)」と呼んでしまったことはありましたが、本来「さん」付けで良いところを「先生」と呼ぶ必要はないと考えています。

☆正直言って私自身は「センセイ(先生)」と呼ばれたくはありません

会計事務所の商売は、人間関係の商売です。良好な人間関係・信頼関係の構築が、優れた、質の高い仕事の必要条件といえます(永遠に勉強するという相当の自己研鑽も必要条件であることから、人間関係=十分条件とは言えませんが)。

良好な人間関係にとって障害になりうるので「センセイ」とは呼ばれたくないというのが正直なところです。

「センセイ」と呼ばれるようでは「まだまだ専門家として信頼されていない、力量が不十分」と思うことにしています。

私は、「センセイ(先生)」と呼ばれても違和感のないごく一部の公式の場(たとえば、税理士会から派遣される講師として青色申告会などで紹介されたときと、税務調査のときなどに税務職員から呼ばれるとき)を除き、「センセイ(先生)」と呼ばれないように努力を重ねます

<一日一新 Today’s New Things>

11月21日(火)

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11月22日(水)

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(本投稿の執筆時間 61分)

 

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