土地を所有している方へ。路線価を調べて、現状の土地の価格をざっくり把握。
目次
今日は路線価の公表日、早速調べてみましょう。
路線価とは、主な道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額です。国税庁が毎年1月1日時点で算定し、7月1日に公表します。土地に係る相続税や贈与税を計算する基準となるものであり、公示地価(こちらは国土交通省が毎年3月下旬に公表する土地の価格の目安)の8割とされています。
路線価を調べるには「路線価図」を見る必要があります。路線価図には、主な道路に金額(1平方メートルあたりの金額。金額単位は千円)が付されています。そこで、所有している土地の前の道路の金額を調べ、その金額に所有している土地の面積(㎡)を乗じ、0.8で割れば、所有している土地のざっくりした価格が分かります。
もっとも、相続税の計算に使用するに際しては土地の形状や環境を調査した上で、より精細な計算をすることとなり、また、実際の売買価格は売買時点での需給関係や経済環境によるためこの通りにならない場合が多いと思われます。それでも「路線価×土地面積(㎡)÷0.8」で計算される金額は時価のざっくりとした目安として有用な情報と言えます。
ブラウザで「路線価」を検索し、国税庁の路線価のページにアクセス
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ここでは、当事務所の所在地の路線価を調べます。日本地図の「神奈川」をクリックします。
各都道府県(ここでは神奈川県)の目次(財産評価基準書目次)が表示。「路線価図」をクリック
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市区町村が表示されるので、目的の市区町村(ここでは麻生区)をクリック
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地図で探すため「この市区町村の索引図ページへ」をクリック
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索引図上の調べたい場所の枠内をクリック
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ここでは、当事務所の所在する場所を含む72108と書かれている枠内(各枠の左上に番号が書かれている)をクリックします。
クリックした枠内のエリアの路線価図が表示されます
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赤丸を付した場所が当事務所の場所です。青で囲んだ数字が路線価ですが、拡大して見てみましょう。
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青で囲んだ中には「310D」と書かれています。1平方メートルあたり310千円(31万円)ということになります(数字の後ろの記号Dは借地権割合を示すものですがここでは説明を省略します)。
この数字310千円に、土地の面積を乗じて、0.8で割れば、ざっくりとした土地の価格を計算できます。
なお、「310D」の両側に矢印が伸びていますが、両矢印の先端までが310千円という意味となります。
おわりに
相続税や贈与税の計算に使用する路線価ですが、それぞれの税務申告書の作成にあたっては、路線価図を見るだけで終わることはなく、実際に現地に足を運んで環境を調査したり形状を把握したり、管轄の市区町村役所・役場に行って土地の利用の制約になるような都市計画等が無いかどうかを調査したりするなど、精細な作業を経て相続税の計算の基礎となる土地価格(相続税評価額)を計算することが必要になります。
しかしながら、路線価図は誰でも検索して見ることができます。税理士としての専門的知識・技術を入れない状態でも、ざっくりとした土地の価格を把握するのには役に立つものです。
毎年この時期に路線価図公表のニュースが流れますが、これを機会に、一度ご自身が所有する土地の路線価を見ておくことをおすすめいたします。