日本各地に増えているコーヒーフェスティバルの魅力
(TOKYO COFFEE FESTIVALの飲み比べ用ミニマグカップ。左が今回、中が前回、右が前々回(確か)。これを集めたくなるのも、フェスにリピートしたくなる理由)
コーヒーフェスティバルブーム到来!
週末にTOKYO COFFEE FESTIVALに行ってきました。今回で9回目の開催、私はほぼ毎回足を運んでいますが、これまでで最も人出が多いようでした。ほぼ通勤ラッシュ並みの混雑度です。
今、日本各地でコーヒーフェスティバルが盛んに開催されるようになりました。TOKYO COFFEE FESTIVALを除いて、私が行ったことのある(行く予定含む)だけでも、
- Coffee Collection around KANDA-Nishiki-Cho(東京都・神田錦町)
- しんたてコーヒー大作戦(石川県・金沢)
- Shonan Coffee Time(神奈川県・藤沢)
- nonowa coffee festival(東京都・東小金井)
- Kawagoe Coffee Festival(埼玉県・川越)
- 珈琲参道(東京都・狛江。5月5日・6日初開催。行く予定)
このほか、知る限り、沖縄、福岡、大阪、名古屋でも開催されています(いつか時間を作って行きます。日本全国のコーヒーフェスに行ってみたいです)。
サードウエーブコーヒーのブームと、地域の活性化や、街におけるひととひととのつながりづくりの気運とがあいまって相乗効果的に、コーヒーフェスティバルが盛り上がっています。以下では、コーヒーフェスティバルの魅力をもう少し細かくみていきたいと思います。
飲み比べ
(TOKYO COFFEE FESTIVALの飲み比べ用マグカップ)
多様なカフェやコーヒースタンドの、多様なバリスタが淹れる、多様なスペシャリティーコーヒーを飲み比べできることが、最大の魅力といっていいでしょう。
TOKYO COFFEE FESTIVALでは15日(日)には、コーヒースタンドだけで29軒出店していました。私が行ったことのある他のコーヒーフェスティバルも、コーヒースタンド10~20軒程度かそれ以上の出店があります。
もちろん、コーヒースタンドだけではなく、コーヒーに合うスイーツやパンをはじめとしたフード、カップやソーサー、抽出器具などのアイテム、書籍や音楽(CDやレコード)のブースも多数出展しています。
サードウエーブコーヒームーブメントにおいては、ワインのようにテロワール(農園ごとの、土壌や気候などによる個性)を重視し、他の農園の豆とブレンドしない「シングルオリジンコーヒー」が主流になっていることがあって、各出店者ごとに提供されるコーヒーは様々であり、
- 柑橘系フルーツ(グレープフルーツやオレンジ、レモンなど)
- リンゴ系フルーツ(青リンゴなど)
- ベリー系フルーツ(ストロベリーなど)
- チョコレート
- キャラメル
- ナッツ
- ハーブ
など、様々なフレーバーとアロマを楽しめ、コーヒーの多様性を体感できます。
さらに、バリスタの個性も、ドリップの所作となって、コーヒーのアロマやフレーバーにさらなる多様性をもたらします。
生産者×ロースター×バリスタによる多様な表現を一か所で体感できるイベント、それがコーヒーフェスティバルです。
旅の気分
TOKYO COFFEE FESTIVALは特に、出店するカフェやコーヒースタンドの地域性と国際性を楽しめます。全国各地のコーヒースタンドのほか、台湾、ニュージーランド、デンマーク、サードウエーブコーヒーで名高いアメリカ・オレゴン州ポートランドからも来日出店。海外勢のブースの前には長蛇の列ができます。
今回私は、ポートランドとデンマーク、そして大阪と福岡と川崎(高津区の二坪喫茶アベコーヒー)のスタンドを飲み歩きました。
さらに、来場するお客さんも、回を重ねるごとに多様性を増しています。第1回も行きましたが、そのころは、感度の高めなヤングアダルト(20〜30代)が多数だったように記憶します。今回は、男女問わず、珈琲愛好家のシニアの方から、高感度なヤングアダルト、学生に至るまで。外国からのお客さんも、欧米やアジアから、白人も黒人も東洋人も少なくない人数が来場してると見受けました。会場には英語や中国語、韓国語が飛び交います。ことTOKYO COFFEE FESTIVALについては、国際交流イベントの特徴も強まっています。
とにかく、東京青山の国連大学の中庭で、日本各地と世界のカフェを巡る旅の気分を味わえます。
発見と出会い、交流、つながり
「旅の気分」と書きましたが、旅に発見と出会いがあるように、コーヒーフェスティバルにもそれがあります。
各ブースで提供されるコーヒー、コーヒービバレッジ、フード、工芸品には、ストーリーがあります。それぞれのストーリーを、テイスティングしたり手に取ったりしながら、バリスタやお店のスタッフから聞くうちに、自然に会話が生まれます。
hiff cafe tamagawaという田園調布にあるカフェがブースで販売していた”coffee soap”、コーヒーを抽出した後の滓を天然のスクラブとして活用、はちみつを配合した石鹸として製品化したとのことですが、お話を聞いているうちに「肌によさそうだから試しに使ってみたい」と購入しました(今使っている石鹸を使い終わったら開封する予定)。
地方から出店しているバリスタには、ショップカードをもらいつつ市町村や駅名レベルで詳細な場所を聞いたりしています。将来その地を旅するときに寄りたいと思いながら、聞いてみています。
ブースのコーヒースタンドを眺めていると、そのコーヒースタンドの常連やバリスタの友人らしき人が、バリスタに声をかけて、再会を喜ぶシーンが見られます。
コーヒー業界のことは詳しく分からず素人発言ながら、ロースターやバリスタが一堂に集う機会は積極的に作らない限りなかなか無いような気がします。コーヒーフェスティバルでバリスタが共にそのフェスを盛り上げる、そして他のバリスタの所作や雰囲気に触れて、インスピレーションを得るきっかけになっているような気がします。
(那須の牛乳でバターを製造したあとの、無脂肪乳をミルクジャムにし、そのミルクジャムを使ったゴーフル「バターのいとこ」現地に行かない限り入手しにくいWhat’s Newなモノに出会えるのも魅力の一つ)
コーヒーを知るワークショップ
さて、ワークショップもまた、フェスの魅力の一つといえます。
今回のTOKYO COFFEE FESTIVALでは、国産コーヒーの原木と果実に触れて体感するワークショップに参加しました。この原木は、奄美群島の徳之島で栽培されているコーヒーの木から伐採したもの。徳之島産コーヒーの花から製造されたコーヒーの花のリキッドや、コーヒーの葉で抽出した「コーヒーのお茶」を試飲、さらにコーヒーの果実を絞って、甘いミニトマトとコーヒーの甘みがブレンドされたような果汁をテイスティングしました。
確か2年前、小笠原・父島の野瀬農園でコーヒーツアーといって、コーヒーの畑を見学し、脱穀を体験したことを思い出しました。国内では小笠原、奄美群島、沖縄県でコーヒーの栽培が行われていますが、相互に交流もあるそうです。時間をつくって徳之島にも沖縄県の産地にも行ってみたいです。
2年前のしんたてコーヒー大作戦では、焚き火でコーヒー豆を焙煎するワークショップに参加したこともありました。焚き火での焙煎は野趣があってクラフト感いっぱいで、とても楽しかったです!神奈川県三浦市から出店していた焚き火カフェによるワークショップでした。
デザイン、アートとファッション
(コーヒーやカフェにまつわる書物の数々、アート性、デザイン性のいいものが多い)
(缶入りドリップバッグの缶は、コーヒースタンドの個性的なイラストで彩られている)
喫茶店でもカフェでもコーヒースタンドでも、コーヒーそれ自体だけで魅せているのではなく、アート、音楽と美術や、建築、デザインとともに、そしてバリスタの美しかったりスタイリッシュだったりする所作やファッションともに、魅せているといえます。アート、デザインにファッションは、コーヒーカルチャーと親和性が高いか、コーヒーカルチャーの一部になっています。
お店ごとに異なるアートやデザイン、ファッションのセンスを感じて楽しめること、そして、生産者もロースターもバリスタもスタッフも表現者であること、カフェやコーヒースタンドもまた、演劇のように「総合芸術」であることを楽しめるイベント、それがコーヒーフェスティバルです。
(音楽も欠かせないものの一つ。生演奏でフェスの雰囲気を盛り上げます。)
地域の独自性〜地域活性化の切り札として
東京を除く地域、地方のコーヒーフェスティバルは、その地域の地域性が出ています。地元のカフェやコーヒースタンドが中心になり、地元以外のカフェやスタンドを招待している感じです。
2年前に行った金沢の「しんたてコーヒー大作戦」は北陸地方のお店をメインに多数出店、地元の盛り上がりを感じました。また、Shonan Coffee Timeでは湘南と神奈川県を中心とした出店、Kawagoe Coffee Festivalでは埼玉県を中心とした出店と、その地域のCoffee Peopleが一丸となって場を盛り上げます。
地元のお客さんにとっては交流を深める場、訪れる人にとってはその地域のコーヒーカルチャーを集中的に体感できる場として機能しています。コーヒーフェスティバルは地域活性化の切り札としての役割も果たしているようです。
おわりに〜SexyなCoffee cultureを持つ国、日本
2年前に”A Film About Coffee”という映画を見て、印象に残ったのは、下北沢のBear Pond Espressoのオーナー田中勝幸さんの言っていた
” Coffee people have to be sexy ! “
でした。
いままで述べたことのまとめとして、コーヒーフェスティバルがブームになってきたのは、コーヒーカルチャーがSexyだから、だということです。
Sexyということは、人間の本能に訴えるものであり、コーヒーカルチャーがSexyならば、このコーヒーブーム、短期の流行には終わらないはずです。芸術分野のひとつとして確立していくことでしょう。
そして、先ほど、地域活性化の切り札と書きましたが、Sexyなコーヒーカルチャーのある、Sexyな地域、街、場所をつくりあげていくこと、Sexyであることは活性化にとってのキーファクターになっていくことでしょう。その街がSexyかどうかが、勝負どころといえます。
さあ、今週も、Good Coffee Timeをもって、過ごしてまいりましょう!
【一日一新 Today’s New Things】
4月14日(土) Alameda SIMPLE BLACK COLD BREW COFFEE(ファミリーマートで購入)
4月15日(日) メルカリを初めて利用し、使わなくなったバイク用品(プロテクターやタンクバック)を出品、胸部プロテクターはすぐに売れる)
4月16日(月) 新百合ヶ丘 田園ぽてと(1Fのカフェ)で自家製ジンジャーエール(最近自家製ジンジャーエールにハマりかけています)
(本投稿の執筆時間 120分)