第2の故郷と言ってもいい、広島にて
(おりづるタワーの屋上から広島城方面をのぞむ)
はじめての一人暮らしと会計士キャリア開始の地、広島
2回目の公認会計士2次試験(論文式)を終えた1999年8月、合格発表(10月10日ごろだったと思う)の前から、監査法人や会計事務所への就職活動が始まりました。当時26歳を目前にしていましたが、それまでの人生で実家を離れたことはなく、大学も初めて就職した会社も退職後の専門学校(大原簿記学校)も実家から通っていました。
首都圏で勉強していたこともあり、まわりの会計士受験生は「都心にある」監査法人や会計事務所に、当然のように就職活動していました。私も同様でした。
一方、監査法人の面接を受けるまでの間に、社会人4年目を迎えていた私の同期や、社会人2・3年目になる後輩たちから、地方の勤務や生活についてよく耳にしていました。メーカー、テレビ局、証券、保険など進路はさまざまな同期や後輩たちは、地方の工場や支店、支社に配属されていました。仕事は大変とのことでしたが(それでも、都内の本社勤務よりはゆとりがあるような感じでした)、地方の生活環境や自然環境をそれぞれ楽しんでいる印象を受けました。
私が受けていた大手の監査法人はいずれも、地方の主要都市に事務所を設けているところですが、最初から首都圏でやると、生活がこれまでの25年強の生活の延長線上のようで、飽きてしまわないかと思ってしまいました。
また、思い切って環境をがらっと替え、さらには親元からある程度以上遠く離れて親の”干渉”から遠ざかって、自分自身の時間を十分に持ってみたいと思いました。
そこで、受けていた監査法人で、地方の事務所への配属を希望しました。いくつかの面接の結果、中央監査法人(後の中央青山監査法人→みすず監査法人)の広島事務所から良いお返事を頂き、事務所見学や先輩との食事会の機会も設けて頂き、入所させて頂くこととなり、生まれて初めて実家・首都圏から遠く離れた地方都市・広島で暮らし始めることとなりました。
公認会計士のような専門職においては、様々なタイプの実務機会を経験することにより、高度な専門性を身につけたいと、誰しもが思うと思います。日本の首都・東京は、確かに、グローバル企業の本社が集中し、ベンチャー企業から中堅、準大手を含めて、多数の企業が林立し、非常に豊富な実務機会があるといえ、公認会計士が東京、首都圏を好む理由はここにあります。
実務機会という点での東京・首都圏の優位性は揺るがないとしても、私はあえて、実務=仕事だけではなく、生活環境全般にわたって「新しい経験」をしたいと思い、地方を選択しました。
実際に広島では、キャリア開始から5年程度実務を経験してきましたが、確かに会社の数や規模は東京・首都圏ほどではありませんが、やるべき監査実務の質は東京でも広島でも変わることなく、広島事務所においては、東京事務所での実務を経験したパートナーや、転勤で東京や大阪から来ている上司や先輩方もいて、ひとつの監査法人としての質を一定以上の高いレベルに保つよう、教育が徹底していたように感じています。
それでもやはり、新日本監査法人の東京事務所での勤務を経験して分かりましたが、広島は東京に比べると過密ではなく、ゆとりがありました。
さらに、通勤が格段に楽でした。広島にも通勤ラッシュはありますが、おしくらまんじゅうにまではならない程度、しばしば新聞を広げられました。東京では通勤で仕事前から十分に疲労していました。
公認会計士のキャリアには多様性があると思っています。多様な実務機会のある東京だけではなく、今では「地方創生」の課題を持つ多くの地方都市もまた、キャリアの選択肢としては有力ではないかと考えます。
最近は毎年1回訪れている~最近の広島を感じて
さて、2005年7月に中央青山監査法人の退職により広島を離れて10年後、(今から3年前の)2015年以降、毎年1回、広島を訪れています。2015年には戦後70年目の平和祈念式典への参列と、原爆の経験を現代につたえる舞台「ヒロシマの孫たち」鑑賞。2016年には夏に島根県に向かう途中で1泊。2017年には宮島水中花火を観に(住んでいた間には実家に帰省するスケジュールと重なり行っていませんでした)1泊。
そして今年2018年は、明後日の甲子園の高校野球選手権、開会式と母校(慶應義塾高校=塾高)の試合を見に行く前に、広島まで足を延ばしました。東京で知り合った広島のひとに教えてもらったお好み焼き屋さんに足を運び、そして、今回はじめて「おりづるタワー」に登りました(上の写真)。広島は首都圏よりもさらに暑いのですが、吹き抜ける南風には若干の潮の香りも含み、気持ちいい空間でした。明日の午前中までいる予定ですが、住んでいた当時通っていた喫茶店にも行ってみることにしています。
今回は、新幹線で広島駅に降り立ったのですが、駅を出た第一印象は「去年よりも外国人が増えている」ことでした。海外における広島の知名度は首都・東京並みかそれ以上だと私は思っていますが、多くの外国人の方が平和を祈念する都市、広島を訪れるのは、素晴らしいことではないかと思います。
(3日後の平和記念式典を前に、テントや椅子の設営など、準備が進んでいる平和祈念公園)
きっと来年も訪ねます!
マラソンへの挑戦を始め、10月に横浜マラソンでのフルマラソンデビューを控えているところですが、広島での「いい経験」を増やしたいと思い、来年、広島のマラソン大会に出場したいと思っています(気が早いですが)。
ネットで検索したら「呉とびしまマラソン」という大会が2月に開催されていることが分かりました。まずは横浜と湘南を目指しますが、神奈川の次は広島、呉とびしまマラソンに挑戦したいと思っています。2015年以降は、夏にしか広島に行っていなかったので、久々に冬の広島にも行ってみたいとも思っています。冬の広島は、牡蠣のベストシーズンでもあるので、久々に牡蠣を堪能したいとも。
さて、お店でも宿でも、常連的に通うところが生まれると、また行きたくなるものです。広島もまた、1年に一度は、つながりをつづけたく、行きたい場所になっています。
(おりづるタワーで、折ったおり鶴を、1Fに向かってケースに投下)
(本投稿の執筆時間 70分)