慶應SFC→公認会計士→ひとり税理士。バックグラウンドは今に投影。SFC出身起業家はひとり税理士がベストマッチでは。

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ひとり税理士は、税理士業界のSFC

SFCとは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(Shonan Fujisawa Campus)のことです。1990年に開設され、来年で開設30周年を迎えます。私は1992年に3期生としてSFCの総合政策学部に入学し、1996年に卒業しました。

さて、一方のひとり税理士。クラウド会計、Excel、スマホとノートパソコン、その他様々なITテクノロジーを駆使して、お客様に最適な会計・税務・経営のソリューションを提供する。

そしてひとり税理士は、業界においてもっとも勉強していて、もっとも意識の高い、イノベーティブなレイヤーに属します。様々な意見や見方があると思いますが少なくとも私はそう確信しています。

私は、SFCで4年間学んだ影響か、「ひとり税理士」にとてもSFCを感じ、親近感を覚えるとともに、ひとり税理士という生き方を始めるに至りました。公認会計士を経由(今も公認会計士ですが)し、ひとり税理士に至ったのは、SFCのバックグラウンドあってこそだという気がします。

うすうす感じてはいましたが、はじめて「ひとり税理士は税理士業界のSFC」と言語化してみました。

環境情報学部ではなく総合政策学部でしたが、情報処理(プログラミング)は必修でした。

プログラミングを業にしておらず、大学を卒業して以来、最初の職場(NEC)の1年を除いて、プログラミングを本格的に勉強してはいません。

しかしながら、大学時代に必修で本腰を入れて勉強したことは―学んだC言語は忘れてしまいましたが(使わなければ忘れますね)―、物事を捉える(知覚する)基礎的な枠組みとして残るもので、プログラミングの考え方やロジック、流れに抵抗を感じません。

会計・税務もプログラミングと似ていて、ロジックと流れがあるものなので、簿記や原価計算に苦手意識を持ったことはなく、公認会計士試験の勉強も―苦しくつまずいたことはあったものの―2年半で合格というゴールを超えました。

また、私がExcelが得意なのは、公認会計士として勤務した監査法人で日々使っていたからというだけではなく、そもそもSFCで日々ワークステーション(OSはUNIXでした)に触れ、レポートはlatex(”ラテフ”と読みます)で書いて電子メールで提出といったことを、1992年という四半世紀も前からやっていたから、素養がすでに出来上がっていたからだと思っています。

SFCを実際に見学してみて「面白そう!ここで勉強してみたい!」

1991年、慶應義塾高等学校(塾高)3年生のとき、SFCキャンパス見学会が開催され、行ってみました。

正直、SFCを実際に見るまでは、どの学部にいこうか、希望があまりにもはっきりしていなくて、父と同じように法学部政治学科にしようか、とぼんやり考えていたに過ぎませんでした。

しかし、SFCを実際に訪れ、コンピュータールームやメディアセンター(図書館)を見て、ワークステーションがたくさん並んでいるのを見たり、教授や先輩学生の話をききながら「ここでの勉強は楽しそうだ」と思え、

「面白そう!ここで勉強したい!」と思ってしまい、社会科学系に(ぼんやりなものの)関心が向いていた私は、それ以来、総合政策学部を第一志望の学部に決め、実際に入学しました。

当時、従来からある文系の学部は、授業に出ない学生が多いと聞いていましたが、SFCにおいては、授業に出る学生が多数派でした。実際に、授業に出席しないと、学期中に複数回あるレポートやテストがこなせなかったり、科目によってはグループワークやプレゼンテーションが必須で、授業に出席しないと単位の取得上不利になる仕組みが多々ありました。

(当時としては)よく勉強する大学生としてのSFC生と、業界ではよく勉強する「ひとり税理士」、よく勉強する、という点でも親和性が高いです。

イノベーションが好きであり、イノベーターであろうとすることも、SFC生とひとり税理士の共通点

多くのひとり税理士は「一日一新」に取り組んでいます(私も取り組んでいますが、挫折すること少なからず、反省)。

SFC自体、とりくんでいること、勉強する内容、研究内容、導入しているテクノロジーが先端を行っています。平たい言い方では「とがって」います。

新しいもの好きという点では、共通する要素があります。私もまた、新しいものには弱く、手を出したくなります。

そして、ひとり税理士は業界にとってはイノベーティブな取り組みであり、存在です。それまで当たり前としてきた税理士業界のビジネスモデル―職員を採用して規模を拡大する、顧問報酬に基づく顧問業務が重要部分を占める、デスクトップパソコンに電卓に電話という、昭和後期の業務ツールが今も通用するなど―を疑い、違ったやり方を試行錯誤しながら導入しています。

  • 電話とFAXをなくしてメールやチャットのやりとりを主にする
  • ペーパーレスを実現する
  • クラウド会計専門にするか、クラウド会計を主なソフトにする
  • 顧問だけではなく、単発相談にも力を入れる
  • ネットを営業ツールとして積極的に活用する
  • 現金のやり取りはせずキャッシュレスで済ませる
  • デスクトップパソコンや複合機は持たない。スマホとノートパソコンとクラウドストレージで仕事をする

イノベーションが好きで、自らもイノベーターであろうとする点は、SFC生とひとり税理士で共通するのではないかと感じます。

終わりに~SFC出身の起業家の皆様には、ひとり税理士がベストマッチな気がします。

長いことSFCを訪れていませんが、今ではすっかり、起業するならSFCへ!が定着しているようです(伝聞ベースですが)。

平均年齢が60代の税理士業界にあって、見たところ(昨年夏にひとり税理士の懇親会に行って見たところ)ひとり税理士は20代~40代の若手が多数派です。

もし、起業にあたって、税理士を探す場合には、あえてひとり税理士を探してみてはいかがでしょうか。SFCで勉強している皆さんにとっては、ひとり税理士は話が合いやすいと思います。

(本投稿の執筆時間 75分)

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