会計ソフトの摘要欄に記入する〜税務調査対策だけではなく経営管理のために
会社員として働いていても、夜や週末や空き時間に本業をもう1つ手がける「複業(パラレルキャリア)」が浸透している現在、会計ソフトというのはもっと我々にとって身近な存在になっていくような気がします。
特にクラウド会計ソフトは、従来の(スタンドアローンの)会計ソフトに比べるとインターフェイスがユーザーフレンドリーになっていて、会計への敷居を下げていると思います。
現に複業をしている方でまだ会計ソフトを触っていない方は、ぜひともクラウド会計ソフトから触ってみることをお勧めします。
会計ソフトがわかれば、起業へのハードルを1つ越えたことになります。
ところで、よく使ってしまうのですが、個人的にはあまり好きになれない「記帳」という言葉。
会計ソフトへの「登録」とか「会計処理」という言葉の方が私は好きです。
「会計処理」という言葉の方がまだしっくりくるのは、私が会計士のキャリアから出発したからと思いますが、「記帳」というとどうも「お堅い役所」じみていて、クリエイティビティーを感じないので・・・
同じような理由で「記帳指導」という言葉も好きではありません。
そもそもこれも「役所の行政指導」という強制力を伴った、どこか上から目線の、偉そうな雰囲気があって、今風ではなく、古臭い言葉のようにも感じますから・・・
私としては「会計処理のアドバイス」と言った方が、まだ良いような感じがします。
クリエイティブな起業をもっと増やしていくには、会計に対してもっとフレンドリーにアクセスできる方がいいと思っています。下げられる敷居は下げた方が良く、まずは言葉遣いや用語からして、もっとクリエイティビティーが上がるような言葉を選択して、考えて使っていきたいと思っています。
それと、ちょっと説教じみてしまいますがあえて言うと、そもそも、指導されて記帳するようでは、自由な(=freeという意味のみならず「自らに由る」という意味を含む)経営とは言えず、自由で自発的であるはずのフリーランス(個人事業のみならず法人形態も含めて)の意義に反する気がします。
指導されずとも会計処理を自らやって、積極的に自分の会計を理解していくのが、真のフリーランスではないかと私は考えます。
税理士や記帳代行業者に丸投げをして、経営にとって大事な会計数値という首根っこを(税理士や記帳代行業者という)他人に握られっぱなしでは、自由が得られないので、真にフリーランスとは言えないということです。
会計処理というのは、納税のためだけにあるわけではなくて、むしろ、経営管理のツールとして役立てるためにあるはずです。売上に経費、利益、貸借バランスを日々みながら、今後のアクションを考える材料とするのが会計処理の大きな目的です。
前置きが長くなってしまいましたが、経営管理のツールとして会計を役立てるためにも「摘要欄」の記入は必要になってきます。
税務署が指導するから、と言うのは本質的な理由ではありません。税務調査対策のためだけでもありません。
自分のビジネスのためです。
(図は、freeeの取引の登録画面です)
会計処理には、日付(When)、金額、勘定科目、摘要の4要素が必要になります。
摘要欄には一般的には
- Who:誰から(どの会社や店から)→上図で言う「取引先」
- What:何を→上図でいう「品目」
- Why・How:目的、理由→上図でいう「メモタグ」や「備考」
- (How)利用する、消費する、売上であればそれが帰属する「部門」
を記載します。
これで、会計処理というのは5W1Hを明らかにするもの、といえます。
長く続いた紙の帳簿の時代には、摘要欄は「簡単な文」と言え、検索が容易とは言えませんでしたが、今の会計ソフト(特にクラウド会計ソフト)は、摘要欄に書くべき内容を「タグ」のような「キーフレーズ」として登録し「タグ」を検索することによって、一覧で見たり集計したりすることがずいぶん楽になりました。楽に検索できると、ビジネスの実態も把握しやすくなるといえます。
税務調査に対応するための摘要欄というよりも、検索したり集計したりして経営の傾向を掴んで、将来の計画に役立てるツールとして摘要欄を登録していきましょう。
〈一日一新 Today’s New Things〉
11月14日(火)
新百合ヶ丘の改札口の上にあるカフェでスコーンのマロンアイスクリームサンドイッチをオーダーする
11月15日(水)
Pixlrというオンライン画像編集ツールを使って、認印の印影の電子データを作成。プリントアウトすることなく、この印影電子データをWordファイルに貼り付けてPDF化して認印つき文書をメールで提出先に提出する。
参考:https://www.misoca.jp/blog/post_95
(本投稿の執筆時間 65分)