確定申告の時期に切羽詰まらないように~朝活ならぬ朝経理のすすめ

10月も3日目。月初のいまごろは、前月の領収書や請求書をまとめて入力している方も、前月分の月次決算はもうOKという方も、そもそも月次決算していないという方も、いろいろと思います。

10月にはいると、おせち料理の予約が始まっていたりとか、年賀はがきの印刷の受付がはじまったりとか(年賀はがきの発売は11月1日ですね)、来年の足音が聞こえ始めますが、確定申告の足音もだんだん大きくなりはじめます。

確定申告の期限は3月15日ですが、期限間近になってしまうと、あわててしまってミスも生じやすく、何よりも確定申告にとらわれて、来年早期に打つべき次の一手が遅くなるというデメリットがあります。確定申告の準備は早めにはじめて、早めに申告するのがいいです

当事務所では、確定申告期限を2月末日に設定します。申告期限まではあと15日あるものの、3月に食い込むその15日間は、前の年のことである確定申告は手放し、気持ちを完全にその年(2018年)に切り替えたいですし、その方が早く次の一手に集中できるので企業経営上ベターと考えるからです。

ちなみに、法人の確定申告期限は、決算日から2カ月後です(12月決算ならば、2月28日が確定申告期限です)。法人でもひとり社長(社長以外に役員従業員がいない)のところは少なくなく、そうした法人は、2カ月という期間で、所得税の確定申告書よりも作成に手間のかかる法人税の確定申告書を完成させて申告するわけです。法人でも個人事業でも企業という点では共通することから、個人であっても法人のように高いレベルとテンションで経理業務をやりましょう、ということです(法人成りへのトレーニングともいえます)。

それでは、確定申告を早めに済ますには、どうしたらいいか、それには、経理業務をスピーディーに済ませることが欠かせないのですが、スピーディーにするには、工夫がいります。

少なくとも、一年間まったく会計ソフトに入力せず、翌年になってからまとめて一気に入力するというのは、やめるべきです(翌年の数日であっても、大切な翌年の一日。前年のコトである確定申告に割く時間は少しでも短くして、なるべくその年のことを考えたいですね。また、確定申告の作業を一気にやると疲れてしまい余裕がなくなりがちです)。確定申告の受付期間(2月16日~3月15日)になってからはじめて会計ソフトに入力というのは論外中の論外です。

最近は、クラウド会計ソフトが普及しはじめて、ネットバンキングやクレジットカード明細をクラウド会計ソフトにインポートないし同期できるので、入力の手間はかなり減りましたが、入力して終わりではなく、領収書や請求書は完備されたかとか、ミスはないかとか、「チェックする」という作業があります。チェックを一年分まとめて、イチから、翌年になってからやるというのは、これもまた無理があります。

やはり、会計ソフトへの入力は、前もって、定期的に、規則的に、やっていく必要があります。領収書や請求書(”証憑”(「しょうひょう」と読む)といいます)を集め、証憑を見て入力し、入力したらチェックする、という流れを意識的に定期的・規則的につくる必要があります。

そこで、本日の標題~朝活ならぬ朝経理のすすめ、となります。

たとえば、次のようなルーティンで会計ソフトへの入力とチェックをしていくと良いでしょう。

  1. 毎日の入力
    現金で受け取った売上、支払った経費は、証憑を見ながら、翌朝に少し(5~10分程度)時間をつくってやる~これが朝活ならぬ朝経理です。
  2. 毎週または毎月の入力(クラウド会計ソフトの利用を前提にします
    預金口座に振り込まれた売上、預金口座から振り込んだ経費、クレジットカードで支払った経費は、ネットバンクやクレジットカード決済データを同期した上、その同期データを証憑を見ながら会計ソフトに入力していく。
  3. 毎週または毎月のチェック
    一週間又は一か月の入力済み会計ソフトのデータを、証憑とあっているか、間違いなどはないかチェックする

クラウド会計ソフトを利用するというのは、もはや前提です。ネットバンキングを使用し、クレジットカード明細をネット上閲覧できるようにする必要がありますが、ネットバンクやクレジットカード決済データを会計ソフトへの登録に使えれば、入力をイチからする必要なく、大幅に楽できます。クラウド会計ソフトを使わないとすれば、銀行の入出金データもクレジットカード明細もすべて日付、金額をイチから入力しなければなりません。手間がかかるうえ、ミスも起こりやすいです。

これら1~3の作業は、1年分にすると膨大です。これを年が明けてから確定申告の時期にまとめてやろうとすると、気が重くなったりパニックになったりするというものです。直前にまとめてやるのではなくて、1~3に書いたように時期を分散して、しかも定期的・規則的にやるのがベターです。毎日、毎月やるのは大変に感じる方もいらっしゃると思いますが、その分、確定申告の時期がラクになるうえ、毎日、毎月やることというのは、一度慣れてしまえば、ルーティンワークとして定着し、大変さを感じなくなります。

月次決算というのは、上場企業ではどこも実施していますが、個人事業であっても、やる必要があると考えます。確定申告をラクに、的確にやるという観点だけではなく、毎月毎月の仕事のありようを、毎月初め(あるいは毎月末)という一定の時期に振り返ったり、反省したり、考えなおしたり、それに基づいて新たなことを考えたりと、個人事業の経営上、必要なことと考えるからです。最低でも月に一度は、経営状況を数字で振り返り、翌月へのたたき台として活用していくということです。

今回はかなり書きましたが、とにかく、確定申告時期にあわてないよう、また、個人事業のベターな経営のため、朝活ならぬ朝経理をおすすめいたします!

(本投稿の執筆時間 55分)

 

 

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