相談、アドバイスなど全ての業務で意識すること

10月には、1999年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人で公認会計士としてのキャリアをスタートさせてから20周年となります。節目には、初心に返り、自己の土台を改めて見返すことも重要と思い、監査実務の経験で培い、今では税務業務や会計業務でも意識していることを記します。

なお、書いている順番は優先順位の順番ではなく、どれも同程度の強い重要度を持ち、全てを充足することを意識します。

証拠と事実

会計ソフトに入力されている取引、決算書に集計され表示されている数字が

  • 事実に基づいていること
  • 実物(現金や預金通帳、証書、商品、製品、原材料、設備や備品の実物)や証拠書類(請求書、領収書、納品書、契約書、注文書、稟議書、議事録など。証拠書類を「証憑(しょうひょう)」と呼ぶこともあります)で裏付けられていること。

合理性、説得力(筋が通っていること)

会社(個人事業の場合は個人)のビジネス・事業との関係が、合理的に説明できること。筋が通っていること。さらに、合理性の程度が弱いとは認められないこと(説得力があるといえること)。

法律や会計基準に従っているか

会計ソフトに入力された取引の記録が、会計基準や、法人税法や消費税法などの法律(税法)に従っていること。決算書の表示が会計基準に従っていること。税務申告書が税法に従っていること。

生産性と効率性

相談や助言にあたっては、単に「決算書が、事実や証拠と整合し、ルールに則って作成され、合理性をもって説明できる」かどうかだけではなく、ムリ、ムダ、ムラがないか、支出(投下資本)は効率的か、生産性が高いかどうかにも留意します。たとえば、以下のようなことがあります。

  • 持ってはいるが、使われていない不動産、設備はないか?あれば、使ったり売却したりする計画は立案しているか?
  • 入金の期限は過ぎているのに、まだ入金されていない債権(売上債権や未収入金、賃貸借契約が終了しているものの未回収敷金など)がないか?あれば、入金への段取りは決まっているか?
  • 売れていない在庫(商品や製品)はないか?あれば、どのくらいの期間売れていないか把握しているか?販売の計画や見通し、あるいは廃棄の計画は立てられているのか?
  • そもそもの支出(投下資本)が、会社のビジネス(利益率などの数字の側面だけではなく、取引関係の維持など、広い意味で捉えることもある)にどの程度役に立っているのか、

事実と証拠、合理性、遵法性、そして生産性と効率、これら全ては、監査実務経験において、勘定科目の監査調書を作成すること、そして、監査のまとめとして、監査報告書と同時に監査クライアントに提出する「マネジメントレター」の原稿を執筆することによって、業界入り初期のころから養ってきたことです。

そして、会社(ビジネス)も、人と同じで、贅肉は可能な限り削ぎ落として、筋肉質かつスリムなほうが、「健康的に経営できる」と考えます。公認会計士と税理士は経済社会のドクター、健康的な経営に役立つような助言も意識しています

(本投稿の執筆時間 60分)

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