定型的な仕事はAIに代替されるが、遊びと創造性は代替されないと考える
はじめに
税理士の井ノ上陽一さんの企画によるセミナー「人工知能(AI)入門」(講師:瀬戸 美月 氏、株式会社わくわくスタディワールド)を受講してきました。
人間は仕事を人工知能に奪われ、大量に失業するのではないかとの懸念もあるようですが、基礎的な技術のお話を踏まえながら、今後どうなっていくかについてお話を伺いました。
以下、印象に残った点に触れつつ、AIが浸透する社会においてどうしたらいいか、思ったことを書いて行きます。
パターン認識の精度は人間を超えてきている
将棋のPonanzaや囲碁のAlphaGOのように、ルールが明確で運に左右されないゲーム(完全情報ゲームと呼ばれます)については、AIが人間を超えたことに触れつつ、棋士の仕事のあり方が変わってきていることを紹介していました。
トップ棋士は、その対局を見る人も多く賞金が多いこともあり当面安泰といえるものの、賞金が少ない中堅以下の棋士が収入の頼りにしていた「(将棋の)指導」については、ネットで学べるようになったため、転職を考える棋士が増えているとのことです(ネットを「学びの高速道路」と位置付けています)。
Power Pointのスライドデザインの自動提案、日本でも流行しはじめたGoogle Home、Amazon Echoのようなスマートスピーカー、Google Cloud Vision APIなどを例にとりながら、AIの機能に触れ、音声認識や画像認識におけるパターンを認識する精度が増しているとの説明を受けました。
AIの利用動向はアンテナを高めてチェック
さて、大学時代(1992年〜1996年)に一般教養科目としてプログラミングの授業を受けたり、Latexでレポートを書いてメールで提出したり、Netscape Navigatorでネットサーフィンするなど、当時のITの最先端を活用した経験からいえるのは、
- 少なくとも25年は先を予想ながら
- できるだけ実際にAIを活用したモノに触れ
- 書籍、新聞、テレビ、ネットなどでAIの活用事例を目にする、読む
ことに留意したいと思うとともに、皆様にもお勧めします。
少なくとも25年は先を予想するように書いたのは、私が大学を卒業した1996年から今日までの22年の間に、携帯電話、スマートフォン、高速インターネット回線、モバイル回線(3G→4G)、スマートスピーカーと技術の進化及び導入が凄いスピードで進んだからです。
25年は先を見ながら今日を動いておかないと、仕事の技術や、働き方を含めたライフスタイルの進化についていけなくなると危惧しています。
新しいモノに触れることに抵抗を感じてしまう人もいるでしょう。私にもそういうところがあります。しかし、いささか暴論ですが恐怖をワクワクに変換して、今後生ずる新しいものにどんどん触れた方が、選択肢が広がるを感じています。食べず嫌いを(いつの間にか)克服するような感覚でいいと思います。
本能を育てて遊び心とクリエイティビティを高めよう
仕事や生活の中における、判断や思考をほとんど必要としない単純作業や、ルーティンワークは、どんどん機械(AI)に置き換わっていくと感じさせられました。仕事をする時には「この作業はIT(AIやRPAのような自動化技術)に置き換えられそうだ」と意識することが必要になってきます。
しかしながら、セミナーで瀬戸先生が仰っていましたが
- 人工知能は本能を持たない
ことは、意識しておくべきと思います。つまり、
- 人間は人間の本能を大事にして、育てて、活用しよう
ということです。
懇親会の席で瀬戸先生が「これからは体を動かすことがますます大事になる」と仰っていました。様々な技術の産業や生活への適用により、人間はほとんど体を動かさなくても、生活が成り立つようになりました。スポーツやDIY、音楽や美術や舞台芸術など、体を動かすことは人間らしいことであるということです。また、体を動かすことによって、人間と機械(AI)の違いを体感するのも大事とのことでした。
日々の仕事にルーティンワークが多いがために、逆に本能が弱っているという現象になっているのではないでしょうか。短期的にはルーティンワークに依らざるを得ないとしても、中長期的にはルーティンワークから解放されて本能的に、遊び心やクリエイティビティを活用して仕事をできるように、日々意識していく必要があると思います。
おわりに
懇親会でご一緒した税理士や会計士のみなさん、ブログをやっていたり、マラソンに出場したり、ゲームに熱中したりと、ITとスポーツに明るい方が多く、私は(SFC出身の割には)あまりこの方面に明るいとは言えないので、話についていくばかりでした。
しかしながら、ドラゴンクエストのナンバリングシリーズ(Ⅹを除く)だけは私もハマったこともあって「ゲームを通じてITで遊ぶ」というのは理解できたように思います(遊び過ぎにも注意ですね)。
自宅にGoogle Home、事務所にAmazon Echoを置いていることもあり、思わず自宅でAlexa(アレクサ)と話しかけて反応がない(本来は「OK,Google」と呼びかける)ので間違えたことに気づくこともあり。
税理士の井ノ上さんからは、写真の「話すアプリ」を紹介してもらい、私も楽しんでいます。昨日の地元での里山保全ボランティアでは、話すアプリを起動して植物にカメラを向けましたが、植物名の正確な応答にはまだ対応していないようでした。
(アプリ「話すカメラ」で皿を認識して「皿」と画面に表示された)
(本投稿の執筆時間 90分)