麻生区のコーヒー事情 まだまだカフェが足りません!
事務所でのコーヒーブレイクも、サードウエーブコーヒースタンドやカフェで購入したコーヒー豆をミルで挽いて、ドリップして、飲んでいます。今日は、毎月デリバリーしてもらっている
から豆が届き、早速その中の一つ、名古屋のTRUNK COFFEEを淹れました。黒蜜のような甘さを感じる香味、爽やかで明るい酸味。
今日は、コーヒーギークらしく、地元・川崎市麻生区界隈のコーヒー事情についてエントリーします。
日本有数のチェーン店が席巻する街、新百合ヶ丘
麻生区の顔、新百合ヶ丘。芸術・文化の街として街おこしを続けていますが、芸術・文化の街であるならば、カフェ文化・喫茶文化も充実していてしかるべき。
この点、個人がそのセンスで経営しているアーティスティックだったり個性的な店は少なく、どの街にでもあるチェーン店の存在感が圧倒的に大きいです・・・
ドトールコーヒー(OPA1階)
カフェベローチェ(南口タクシーロータリー前)
ベックスコーヒー(OPA地下1階、JRの駅ではないのになぜ新百合に?)
プロント(OPA地下1階)
カフェコロラド(アコルデ新百合ヶ丘北館)
倉式珈琲店(サンマルクグループです。エルミロード3F)
珈琲屋OB(OPA2階、埼玉県に多いお店です)
スターバックスコーヒー(エルミロード1F)
タリーズコーヒー(新百合ヶ丘駅改札口の上)
ボイドコーヒー(小田急OX万福寺店2F)
以上、10店舗です。
チェーン店のはしごや飲み比べができます。ここまでチェーン店が近接して揃っている街は、あまり聞いたことがありません。新百合ヶ丘は日本有数のカフェチェーン激戦地、チェーン店が好きな人にとってはたまらない魅力がありますが、
私は、どの街にでもあるようなチェーン店は、面白みが無いし、効率性や生産性は感じられても芸術文化は感じられないし、ワクワクしないし、応援しようとも思えないので、魅力を感じません!
チェーンをいくら増やしても、芸術・文化は感じられません。
鎌倉、逗子、葉山や、京都や名古屋や福岡や金沢のような、都内なら中目黒に池尻大橋に神保町に清澄白河のような喫茶文化に厚みがある街には、成長しません。
喫茶文化の成熟には、その街にしか無いような個性的なお店が、多数必要です。
麻生区界隈のチェーン店ではないカフェ
しかし、そのような麻生区界隈にも、芸術・文化を感じる、喫茶文化を盛り上げようとの心意気を感じる、応援したくなるカフェは確かに存在します!
- ヒアシンスハウス(万福寺檜山公園に隣接、新百合ヶ丘)
- cafe peas(青葉幼稚園近く、新百合ヶ丘)
- cafe Sante(弘法の松(百合ヶ丘、新百合ヶ丘))
- Cafe TAMAE(金程交差点近く、新百合ヶ丘)
- 田園ぽてと(新百合ヶ丘)
- Lily cafe(千代ヶ丘、新百合ヶ丘)
- Cafe Bar Lirio(百合ヶ丘)
- ON THE HILL COFFEE(黒川)
- Sun Cafe(柿生)
- カフェ・ド・シュロ(読売ランド前)
- ゆい〜と(読売ランド前)
どのカフェも個性的で、地元民としての誇りも感じ、応援したくなります。
しかし、人口17万7千人の川崎市麻生区において、個性的なカフェがたったこれだけです。私がコーヒーギークであることを差し引いたとしても、個性的なカフェがこれだけというのは、正直物足りなすぎます。個性的なカフェ1軒あたりの人口が1万6千人!
私もそうですが、カフェが好きな麻生区民は、地元に飽き足らず、都内や横浜や鎌倉、湘南方面に飲みに行っています。
近いところでは狛江と千歳船橋の堀口珈琲、世田谷代田のSTREAMER COFFEE COMPANY、下北沢のBear Pond Espresso。
神奈川県内では鎌倉のCafe Vivement Dimancheや辻堂の27 Coffee Roastersです。
麻生区の喫茶文化のこれから
今朝、エルミロード3Fの倉式珈琲店にモーニングセットを求めていきましたが、開店30分(10時30分)にして、8人待ちでした。10分以内に席に通されなかったら諦めるつもりでしたが、なんとか呼ばれて席に通されました。
私は、堀口珈琲やDimanche、ON THE HILL COFFEEやヒアシンスハウスのような店ならば、並んで待ってでも入りますが、倉式珈琲店に並んで待ってでも入りたいとは思っていません。
ただ、新百合ヶ丘の倉式珈琲店は眺めがいい。コーヒーの味は求めず、リーズナブルなモーニングと眺めを求めて、ちょっとだけなら並ぼうかと思う程度です。店長や店員との関係もドライですし。
倉式珈琲店の前に並んでいる人は、シニアのご婦人が過半で、あとは学生さんでした。思うに、倉式珈琲店がこれだけ混み合っているのは、倉式珈琲店の人気が絶対的にあるからではなく、コーヒーを楽しめる本格的な喫茶店が少ないからと思われます。
そう考えると、本格的にコーヒーを楽しめる喫茶店は、シニアの多い麻生区において受けが良いと思います。
一方で、堀口珈琲のような本格的な店は、新百合ヶ丘にやって来ず、代わりに(と言ってはなんですが)倉式珈琲店のような大手チェーンが来るわけです。堀口珈琲を誘致できるほどの力が、麻生区にはまだ無いということでしょうか。
大衆的な大手チェーンではなく、堀口珈琲や丸山珈琲のような日本の珈琲文化を知的かつ美的に牽引する珈琲店を誘致するだけの力をつけることが、芸術・文化の街を志向する麻生区の今後の課題と思います。
また、来月5日には、エルミロードのスターバックスが、エルミロード内でも路面に移転しますね。しかも営業時間は朝7時からに前倒しされます。朝のコーヒーの選択肢が増えるのは、それはそれで、嬉しいと思うところです(下の写真は、工事中のスターバックス移転予定地)。
しかしながら、ラテアートのように、自由さとか余裕、遊び心を加えた要素は、大手チェーンにはありません(なお、カフェというよりはダイニングと思い上記のリストには掲載しませんでしたが、新百合ヶ丘駅の改札上のSAL’Sでは、ラテアートを見たことがあります)。
そして、サードウエーブコーヒーを志向する本格的なスタンドがありません。
個性的なカフェの絶対数も足りませんが、芸術・文化の街としては欠かせないカフェ文化、今の3倍は欲しいです。
さらに、鎌倉や湘南のように、カフェ巡りを目的とする観光客を誘致できるほど、カフェの数が多いわけではありませんが、今ある個性的なお店同士繋がりをつくって、今後できる新しいお店ももれなく加わって、何か地域の目玉になるような、観光客が来るようなイベントを起こすのも、麻生のカフェ文化を発信する一つの手段だと思います。
終わりに
コーヒー店、カフェや喫茶店は、喫茶文化をはじめとする、街の文化の発生源にして、人と人とが繋がる触媒です。
文化的に盛り上がっている街は、喫茶文化も強いです。麻生区が芸術・文化の街を志している以上、喫茶文化を例外にすべきではありません。
例えば、今後増える空き家、これを喫茶店にリノベーションして、地域の文化の発信拠点としていくのも手でしょう。
また、今年4月には、新百合ヶ丘駅近くの住宅展示場に隣接するところに、しんゆり交流空間リリオスがオープンします。このリリオスのカフェスペースに、どのようなカフェがオープンするのかは注目すべきところです。
本質的には、森や田畑を切り開いて宅地にした、ベッドタウンの麻生区。都内や横浜と交流する人は多くとも、地元の人同士の繋がりは、まだまだ薄いのが現状だと感じています。
地元を舞台に人と人との交流を促進し、地元の商業を活性化するリリオスにどのようなカフェが入るのか、それは、麻生区の喫茶文化にとって、重要なターニングポイントになると考えられます。
(本投稿の執筆時間 100分)