これまでの愛読書、堺屋太一、山崎豊子、そしてちきりん

年間に数百冊を読めるほどの速読はできません(多くて月に3〜4冊くらいです)が、読書は好きです(読書よりもコーヒーの方が好きかも知れませんが、読書にコーヒーが欠かせないのも確かです)。今日は、その中でも、愛読書と呼べる、私が最も「ハマった」作家を紹介します。

堺屋太一

実は、私は、高校生まで読書嫌いで、中学生まではまるで読書せず(それでも高校入試で慶應高校に合格できたのは、英・数・国の三科目のうち、比較的得意な英・数である程度稼いだからだと思っています。国語は苦手でした。日本人なのに、です。)、ずらっと並んだ活字を見ると目眩がするほど、本が嫌いでした(漫画は、藤子不二雄(当時)のドラえもんやオバケのQ太郎、パーマン、怪物くんなどを読みながら育ちました)。

高校生の頃も、部活で同期の、落合信彦を愛読する友達から、本読まなきゃダメじゃんと言われ、そう言われて悔しくて、活字を読む苦痛を感じながら頑張って読んでいたくらいです。そもそも何を読みたいか分かっていない状態でした(当時、年末時代劇で放映されていた「次郎長三国志」や福澤諭吉先生の伝記を読みました)。

そんな私が、大学は湘南藤沢キャンパスの総合政策学部に進学し、加藤寛先生の「総合政策学」を興味深く聴き、その中で堺屋太一の「風と炎と」(全4巻)を紹介され、読み始めたのが、読書嫌いという状態から回復する第一歩となりました。

夢やロマンを感じさせ、読んでワクワクする描写、好奇心をそそらせる筆致、迫力を感じる問題提起、生まれて初めて、面白いと思うとともに、苦痛を感じることなく続きが気になりながら読み通せました。

その後も、堺屋太一の著作は「組織の盛衰」、96年の大河ドラマにもなった「秀吉」、そして平成三十年の今「平成三十年」を読んでいるところです。

(かなり久し振りに堺屋太一の話をアウトプットしたためなのか、アマゾンの著作一覧を読んで、まだ読んでいない他の著作も読んでみたくなりました。堺屋太一 著作一覧 アマゾン

山崎豊子

堺屋太一の次にハマったのは、山崎豊子でした。記憶が曖昧になっているのですが初めて読んだのは「不毛地帯」だったと記憶します。大学時代、就職活動(私が活動した95年当時はまだ「就活」とは呼ばれていなかった)で商社を志望していた同期の友達から「不毛地帯」を勧められたと記憶します。

過酷過ぎるシベリア抑留、シベリア後の商社マンとしての躍進、駆け引き、葛藤、闘い、そして「油まみれ」と表現してもいいくらいドロドロとした、しかしその向こうの栄光と背中合わせの石油ビジネス、シベリアの白い不毛と砂漠の油田の赤い不毛、商社というコンクリートジャングルの巨塔(ビル)におけるコンクリート色の不毛、その中を生きる商社マンの描写の凛としたかっこよさ、そうした男たちを取り巻く女性たちの美しさとたくましさ。

主人公壹岐正に感情移入しながらの読書時間はとても充実した時間でした。2009年に放送されたテレビドラマ版も見ました(壹岐正に唐沢寿明、ドラマ版から今年でもう9年なのですね)。

「不毛地帯」後も、「大地の子」「沈まぬ太陽」「白い巨塔」「運命の人」と読んできました(いずれも映像化された作品も観ています)。NHKの大河ドラマで1年間かけて見ることができたらいいなとも思っています。

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山崎豊子さんを読んで気がついたのは、社会の不条理や矛盾を克明に描いて問題を提起しつつ、その中を主役が必死に生き抜く「社会派」が好きだということです。最近、「社会派ブロガー」ちきりんのファンになったことにつながっているような気もします。

ちきりん

昨年年始にはじめて読んだ本がちきりんの「自分の時間を取り戻そう」でした。この前の年末から年始にかけては「マーケット感覚を身につけよう」「ゆるく考えよう」など、その他の著作も一気に読みました。

世界情勢を肌でつかみ頭で咀嚼した、豊富な経験と知識、時代の流れを正確に読み取り乗っていくノリの良さ、そして強い論理的思考力に、深く抉り取る洞察力、大変に大きな説得力を持って、これからの日本人が生きていく術を訴えています。ちきりんにお会いしたことはありませんが、私の先生です。

特に「自分の時間を取り戻そう」で論じられている「高度な生産性が求められる社会において、高い生産性で仕事できるスキルを身につけること」

「マーケット感覚を身につけよう」で論じられている「(組織の上層者に評価されるだけではなく)市場から直接評価されるスキルを身につけること」

シェアリングエコノミー、複業、AI、クラウドコンピューティング、スマホといった経済とテクノロジーの進化に対応する方法論を提起しています。

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そして、Chikirinの日記も愛読中です。情報を表層的にのみ捉えることなく、また表層的な情報に振り回されることなく、深く洞察していくその姿勢と、時代の最先端を描写する姿勢がとても好きです。

終わりに

堺屋太一も山崎豊子もちきりんも、時代の流れを読み、社会の問題をビビッドに(時に迫力を持って)提起し、読み手をその世界に引き込む力に優れた名著述家だと感じています。

洞察力、思考力、問題提起力という点では、私もさらなるブラッシュアップを図りたく、努力を継続しますが、お三方の著作が今の私の態度の重要な一部を形成していることは間違いないと感じています。

(本投稿の執筆時間 90分)

〈一日一新 Today’s New Things〉

1月17日(水)新百合ヶ丘SAL’S  NYチーズケーキ

 

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