記帳のチェックでは、何をチェックする?

会計事務所に、顧問業務の一環として会計ソフト登録(記帳)内容のチェックをしてもらっている方、
顧問でなくてもチェック(確認)を依頼している方も多いと思いますが、
会計事務所は貴社あるいは貴店の登録(記帳)のどこを、何をチェックしているか、ご存知でしょうか?

ご存知という方は大丈夫ですが、ご存知ないようでしたら、是非契約している会計事務所に教えてもらいましょう。

以下のことをチェックしています。チェックの際には、取引を証明できる領収書、請求書、納品書、契約書などの証拠書類(難しい言葉ですが「証憑(しょうひょう)」と呼ばれます)と照らし合わせます。

・そもそも、会計ソフトに登録(記帳)された取引が、存在するか
・登録(記帳)された取引の金額が正確か
・登録(記帳)された取引の日付、勘定科目、摘要欄の内容が妥当か
・翌月の日付で登録(記帳)すべきところ、当月にしていないか、
あるいは逆に当月に計上すべきところ、翌月にまわしてしまっていないか
・消費税の課税事業者(消費税を納める義務のある会社やお店)であれば、
登録(記帳)された取引に付された消費税の課税区分が妥当か
(課税区分とは厳密な定義を省いてざっくりいえば、消費税がかかるか
かからないかです。
大部分の取引に消費税がかかるとみなしてよいのですが、なかには
住宅の家賃や損害保険料、収入印紙代のように消費税のかからない
取引もあります)
・経費として登録するべき取引が誤って資産として登録されていないか、
その逆に資産として登録すべきところ経費として登録されていないか
・勘定科目、特に資産、負債、純資産、収益、費用を混同するような誤りがないか
・借入金の返済に見られがちであるが返済金額の内訳(元本部分と利息部分)
を正確に分けて登録しているか
・給料や税理士、弁護士の報酬など源泉徴収して支払った取引について、
源泉所得税預り金と実際に支払った報酬を正確に分けて登録しているか
・登録(記帳)された取引の登録の状態が、税法や会計基準が求める
取り扱いに整合しているか(適法性や適正性のチェック)。
・登録(記帳)を済ませた結果、現金、預金や借入金の残高が、現金日計表(金種表)、
通帳の残高や返済予定表の残高とあっているか。
・登録(記帳)を済ませた結果、損益の毎月の推移(動きの傾向)に異常な点がないか
・残高の照合結果や損益の毎月の推移(月次推移といいます)の傾向などから、何か
登録(記帳)を忘れているものがないか(モレがないか)

結構多岐にわたる項目をチェックしていますが、この目的は、適正な決算書を作ることにあります。適正な決算書は、自社の経営に役立ち、税務申告や税務調査の際の説明に役立ち、融資を受けていればあるいは受けるに際しては金融機関に自社(自店)の経営状況をプレゼンテーションするのに役立ちます。

さて、写真と本文は必ずしも直接関係ありませんが、当事務所ではクラウド会計ソフトのfreeeを導入しています。
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当事務所で記帳をチェックする際に拝見する請求書や領収書も、画像アップロードして頂ければ、アップロードされた画像と照合することで済ませることが多いです(高額だったり重要性が高いと判断される請求書や領収書は、後日原本を確認しますが)。わざわざこれら書類の授受のためだけに訪問して頂いたり、郵送して頂いたりなどの手間もかかりません。

(本投稿の執筆時間 41分)

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