働き方改革と地方創生という、ふたご

会計事務所のお客様のなかでも、重要なお客様は、起業家です。

公認会計士や税理士と、起業家は、パートナーシップをもって一緒に仕事をするという感覚を持っている私は、起業家の方がどのような動機やパッションを持ってビジネスを始めたか、しているか、十分理解したいと思っています。

(決して、会計事務所は起業家の下請けではありませんし、まして雇う雇われるの関係ではありません(「税理士を雇う」というふうに言う人もいますが、私は好きではありません)。あたかも夫婦のように対等なパートナーとして契約できるかどうか、を大事にしています。)

特に、地域でなにか面白いコト、クールなコト、革新的なことを起こして盛り上げよう、とする起業家の方と仕事をしたいと思っています。地域を盛り上げている方との協働(コラボレーション)は楽しいですし、盛り上がっている地域は好きですから。

さて、今年は、働き方改革元年といえるほど、労働時間の短縮、仕事の効率化、テレワーク(在宅やサテライトオフィスでの勤務)というコトバが聞かれますし、地方創生、地域おこし協力隊という言葉も数年前から聞かれるようになりましたが、トーンダウンすることなく定着していっているように感じます。たとえば、都心と地方の里山の両方を生活や仕事の拠点にするといった「二地域居住」も増えているようですし。

私は、働き方改革と地方創生は、双子だと思っています。

その心は、ともに「起業」を親にする、
親にするといういい方はそぐわないような感じもするので、
目的とするところが、「起業」というところで一致する、ということです。

働き方改革は労働時間の短縮によるワーク・ライフ・バランス(ワーク・プライベート・バランスとか、ワーク・ファミリー・バランスと言ったほうがいいかもしれません。世の中にはワーク・イコール・ライフと考える人もたくさんいますから)ということも確かに実現するでしょう。しかし、ワークとライフのバランスは、手段に過ぎないと思っています。働き方改革は、高い生産性の実現や創造性の十分な発揮にこそ、その本旨があってその最終的な目的が「起業」、そして起業という「自己実現」です。

地方創生も、単に人口が減った地域に、人口を取り戻すことではないはずです。人がたくさん住んでいるだけでは、創生とは言えないと私は思います。都市とか街は「見知らぬひと同士のゆるやかな関係性ないしつながり」が本質であって、単に人がたくさん住んでいてもつながりとか関係性がなかったり、希薄ならば、創生したことにはなりません。

地方創生において人が増えるのは最初の一歩にすぎず、そこで増えた人同士のつながりや交流が生まれて、何らかの「イベント」が起こって、その「イベント」を一緒にやるようになっていく。仕事や起業もそうした「イベント」の一つです。さらに地域が発展するといえるからには、永続的に「イベント」が起こり続ける必要がある。発酵食品のように「都市・街が発酵する」という論者の方もいますが、とてもうまい表現だと思います。地方創生というムーブメントには終わりがありません。

こうして考えると、今の日本は、ますます起業の時代になってきたと思います。もしかすると、明治維新に匹敵するかそれ以上のイノベーションが起こる。

平成後期AI維新の明治的ルネッサンス、そのような時代に感じます。

私も、ワーク・プライベート・バランスを大事にして、創造性を発揮しながら邁進してまいります。

(本日の執筆時間 37分)

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