雇われない働き方なら、消費税も納めることになる。(フリーランスや中小法人の消費税入門その1)

令和元年10月には消費税は10%に。

あと13日、5月1日には新天皇が即位し、令和の時代がいよいよ始まります。そして、新時代には消費税の増税も待ち構えています。10月1日から消費税率が10%になります(当初は2015年10月からの予定でしたが、2017年4月、2019年10月と2度延期。私は、これ以上の延期は無く予定通り10月に10%になるものと思っています)。

令和という新しい時代を記念して、独立したり、会社を設立したりする方は多いように思いますが、会社に雇用されていれば支払う必要の無かった消費税(給料に消費税はかかりません)、独立してフリーランス(個人事業主)や会社となれば(会社として)、消費税を税務署に納税する必要が出てきます(会社の役員が会社から受け取る役員報酬に消費税はもともとかかりませんが、会社自体には消費税を納める義務があります)。

過去には3%や5%で済んでいた時期もありましたが、10%となって、消費税がビジネスの資金繰りに与える影響力は増すばかりです。大きくなっていく消費税の納税額にいっそう注意して頂きたいと思い、「フリーランスや中小法人の消費税入門」という連載を始めることにしました。

納める消費税の金額=お客さんから預った分-仕入れや経費で取引先に払った分

消費税を負担するのは消費者(C、Consumer )です。しかし、消費者は消費税を店や企業(個人事業主や会社。B、Business)に払うに過ぎず、消費者が税務署に消費税を納めることはしません。税務署に納める役目を果たすのはBです。Bは、Cから預かった消費税を税務署に納める、という流れになります。

それでは、納める消費税の金額の計算はどのようにするのか?

計算の原理は、上記の(タイトルの)式のとおりです(消費税法及び消費税の申告書フォーマットに即した計算方法は、国に納める消費税と、地方に配分される地方消費税を分けて計算するので上記の式のように単純ではないのですが)。

(事業年度を1年としますと)お客さんから預かった消費税を1年分集計し、この合計額から、取引先に支払った消費税を1年分集計した合計額を差し引いて、残りの金額を税務署に納める、ということになります。

この、預かった消費税の集計と、支払った消費税の集計については、会計ソフトに頼るのが現実的です。会計ソフトの「税区分」を、取引の入力ごとに設定し、「消費税集計表」などの集計機能を使って計算する流れになります。

おわりに〜税務署に納める分を使い込まないよう、資金をプールすることが大事

ビジネスを展開していくと、売上代金に消費税が含まれる、ということをややもすると忘れがちになり、消費税にあたるお金も自分のビジネス(自社)で稼いだものと錯覚しがちです。消費税はお客さんである消費者が負担し、自分(自社)としては税務署に納めるために一時的に預かっているに過ぎないという消費税の基本を、月次決算とか四半期決算のたびに思い出すようにし、税務署に納める分を使い込まないように資金をプールすることが重要です。

今後ますます消費税が資金繰りに与える影響は大きくなること、意識しましょう。

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