会社の資金繰りをスムーズにすることは、血液の循環を良くして健康になるのと同じ。

年度の資金計画を、少なくとも月次で見直して更新していく

4月に入り、新年度を迎えた会社も多いと思います。今年度こそは資金繰りをギリギリではなくって、もっと余裕をもってスムーズにしたいと、新たな気持ちで経営に臨む方もいらっしゃるでしょう。

新年度に入るまでのあいだに、新年度の事業計画(利益計画、設備投資計画、人員計画、資金計画など)をたてているかと思いますが、それぞれを月次の計画として、

  1. 月次決算ごとに実績と比較しながら
  2. 翌月以降の計画を見直す必要がないか検討し
  3. 計画の変更をするかしないか決定し
  4. 計画を変更すると決めたならば、計画をアップデートする

ことを、継続していきましょう。

計画通りに事業を遂行できるに越したことはありませんが、当初の計画どおりにはいかず、時には大幅な計画の変更を余儀なくされることもあるでしょう。

計画と現状を比較しつつも、常に先をみて、そうした大幅な変更の可能性を早めに察知して、計画を修正していくことが大事になってきます。

日次の計画も立てる

資金繰りについては、年度、月次だけではなく、日次の計画を立てることも必要になってきます。

  • 何月何日にどの得意先から売上代金の入金が、いくらあるのか
  • 何月何日に、どの取引先に、家賃その他経費など、いくら支払をするのか
  • 役員報酬や従業員の給与の支給日は何月何日で、いくらか
  • 各種税金の納付日はいつで、いくらくらいか

特に、従業員給与(労働債務)の滞納は従業員のモチベーションダウンにつながり従業員トラブルの原因になりますし、税金の滞納は延滞税など、納期限を遵守していれば必要のない余計な納付の発生につながるうえ、融資を受けているor受ける予定があるならば(返済期限の遵守を当然求めてくる)銀行など金融機関の印象も悪化します。資金ショートしないよう、日時で資金計画、収入金額と支出金額を管理しておく必要もあります。

なお、売上代金の回収は、支払期日を過ぎたならすぐに支払を求めなければなりません。

各種経費の支払いは、支払期限ごとに、振り込むなどしてまとめて支払ったほうが、支払い事務が効率よくできます。支払期限を迎えるまでは、支払を猶予されているので、経費発生(購入)のつど支払わず、まとめて支払った方が資金に余裕が生まれる上、効率的といえます。

少なくとも月次で(毎月一度は)納税額を予想する

法人税、法人住民税、法人事業税は、利益(所得)の額×税率(ここでは税目ごとの詳細は解説しないが、大まかには30~40%くらい)で計算されるために、利益(所得)の額が変動すれば税額が変わります。利益が大きく変動すれば、税額も大きく変動します。一時的に多額に生じるという性質から、少なくとも月次で、月次利益の期首から当月末までの利益と、翌月初から年度末までの計画上の利益の合計をもとに、納税額を予測し、納税額に見合った現金預金をプールする必要があります。

なお、予定納税による納付も計画に入れる必要があります。

顧問税理士がいるならば、通常、月次決算ごとに予想納税額を示してもらえます。万一、示してもらえていないならば、示してもらうようにしましょう。

おわりに

スマホやスマートウォッチのアプリを利用した「ライフログ」が静かなブームになっています。「ライフログ」は日記のようなもので、時系列で活動とその活動をした時刻・時間を記録します。私も最近はじめたばかりですが、「ライフログ」をつけることによって、生活習慣の改善につなげます。時間をお金になぞらえた「時間家計簿」ともいえます。

会計という企業活動の成果の「記録=ログ」は企業版「ライフログ」といえます。記録された売上、費用、利益、現金預金の動きをみながら振り返り、企業行動の改善につなげていきましょう。

【一日一新 Today’s New Things】

4月11日

スターバックス 東京ミッドタウン日比谷店

THE TANSAN LEMON

(本投稿の執筆時間 64分)

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