消費税~開業2期目までは免税事業者として消費税を納める必要ないが、還付を受けるために課税事業者になる手もある

開業(会社なら設立)したての頃は、設備投資や経費の支出がどうしても先行していくので、資金繰りが厳しくなりがち。少しでも資金繰りをラクにしたいところです。

消費税については、開業2期目までは、納める義務がありません(免税事業者として取り扱われます)。消費税の納付義務が無いというだけでも、資金繰りはすでにラクになっているといえます。

しかしながら、設備投資や経費の支出の際には、取引先に消費税を払っています。消費税だけを見ると、開業したての頃は、売上で預かった消費税よりも、設備投資や経費で取引先に支払う消費税が多くなりがちで、消費税の払いすぎという状況になります。免税事業者として取り扱われている間は、この払いすぎた消費税の還付を受けられません。納付をしなくていいなら還付も受けられないという、同じコインの表裏的な関係にあるのです。

(この投稿では、単純化のため、売上はすべて課税売上、仕入(設備投資も含む)はすべて課税仕入れとみなして話をすすめていきます。その他詳細な定義も省略して解説します。)

そこで、免税事業者として取り扱われている間も、あえて課税事業者になることによって(課税事業者を選択する、ということです)、還付を受けられるようにすることが考えられます。開業年度から課税事業者になるためには「消費税課税事業者選択届出書」を開業年度の終了日までに所轄の税務署に提出しておきます。

還付を受けられるということは、納付をしなければならないという、同じコインの表裏的関係になるので、開業初年度に多額の設備投資などで払いすぎた消費税を還付されたとしても、翌年に預かった消費税の方が払った消費税より多くなれば、差額にあたる残った消費税を納付しなければなりません。課税事業者を選択すると、課税事業者になった年度から最低2年度の間は、課税事業者をやめられず、消費税を納める必要が生じます。さらに、課税事業者の選択をしている間に、税抜100万円以上の固定資産(「調整対象固定資産」といいます)を購入すると、購入した年度を含む3年度の間、課税事業者をやめられず、消費税を納める必要が生じます。

(課税事業者の選択をやめるためには、やめようとする年度の前の年度の末日までに「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出します)

そこで、以下では、開業初年度に税抜100万円以上の固定資産を含む設備投資をし、開業初年度から3年間、課税事業者の選択をやめられないものとして話をすすめます。まず、以下の図をご覧ください。

開業時から課税事業者を選択するには、向こう3年間の売上、仕入、経費、設備投資の計画を立てる必要があります。そのうえで、消費税を、開業年度、開業2年度目、開業3年度目にそれぞれいくら還付される又は納付するか、試算してみて、トータルで還付額の純額が出るのか、納付額の純額が出るのかを見る必要があります。ケース1は、3年間の通算で還付額がわずかに上回り、課税事業者の選択をしたほうが有利なケースです

次は、その逆のケースです。

このケース2の試算では、開業年度から3年間で、納付の合計のほうが還付額を上回っており、課税事業者を選択すると、還付額より多く納付することとなってしまうので、課税事業者を選択せず、免税事業者のままでいたほうが有利といえます。

このように、課税事業者を選択する場合には、また今回の説明対象ではありませんが、簡易課税を選択したり、仕入税額控除において個別対応方式か一括比例配分方式を選択する場合には、試算(シミュレーション)したうえで、有利不利を判断してから、実際に選択することが肝心です。

(本投稿の執筆時間 85分)

 

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