移住と選挙〜移住先では投票できないのか!?

逗子市に住民登録したにもかかわらず、川崎市麻生区から投票案内が届く。

はじめに〜参議院議員選挙が公示され、投票案内が届いたけれども

参議院議員選挙が今日公示され、投票案内が届きました。

封筒を見て「あれ?逗子市の選挙管理委員会ではなく、(川崎市)麻生区から?」と思い、開封すると、移住前(前住所地)の川崎市麻生区の投票所が指定された「投票所入場整理券」と案内チラシが入っていました。これには驚きました。

え?逗子では投票できないの??投票のためにわざわざ(片道1時間15分くらいかかる)新百合ヶ丘まで行かなければならないの?

川崎市麻生区の投票案内チラシ

公職選挙法の規定で、住民登録後3か月は新住所での選挙ができない

さすがに「なぜ?」という強い違和感を覚え、麻生区の選挙管理委員会に電話で問い合わせました。すると、

(特定の候補者を勝たせるために)選挙のためだけに引越をすることを防止するために、新住所での住民登録後3か月を経過しないと新住所地での投票ができない」と言われてしまいました。

問い合わせでは根拠となる法律の条文までは聞けませんでしたが、公職選挙法の規定かなあと思い、e-Govで調べてみました。

(被登録資格等)

第二十一条 選挙人名簿の登録は、当該市町村の区域内に住所を有する年齢満十八年以上の日本国民(第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第二十八条の規定により選挙権を有しない者を除く。次項において同じ。)で、その者に係る登録市町村等(当該市町村及び消滅市町村(その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて、当該廃置分合により消滅した市町村をいう。第三項において同じ。)をいう。以下この項及び次項において同じ。)の住民票が作成された日他の市町村から登録市町村等の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日。次項において同じ。)から引き続き三箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行う。

 選挙人名簿の登録は、前項の規定によるほか、当該市町村の区域内から住所を移した年齢満十八年以上の日本国民のうち、その者に係る登録市町村等の住民票が作成された日から引き続き三箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されていた者であつて、登録市町村等の区域内に住所を有しなくなつた日後四箇月を経過しないものについて行う。

e-Gov法令検索 公職選挙法

第21条第1項の条文に当てはめて検討すると、逗子市に住民登録をしたのは5月23日であり、本日現在3か月以上となっていないため、逗子市においては選挙人名簿に登録されていないことになります。

また、その次(第2項)の条文に当てはめて検討すると、川崎市麻生区には3か月以上住民登録しており、川崎市麻生区に住所を有しなくなってからまだ4か月を経過していないことになるため、川崎市麻生区の選挙人名簿に登録されることになります。

なるほど!

公職選挙法の規定で、住所を川崎市から逗子市に移転してまだ3か月経っていないから、川崎市で投票することになる、ということが理解できました。

移住先である新住所地でも投票できるが、その手続きは手間がかかる

さて、先の麻生区選挙管理委員会への問い合わせで、逗子で投票できないかどうか聞いてみたところ、

  1. 請求書(兼宣誓書)に新住所地等を記入し麻生区選挙管理委員会に郵送
  2. 麻生区選挙管理委員会から新住所地(逗子)に投票用紙を郵送する
  3. その投票用紙を持って新住所地(逗子)の選挙管理委員会へ行き、そこで投票する
  4. 投票された投票用紙は、麻生区選挙管理委員会に郵送される

という流れで、逗子でも投票できるとのことでした。

請求書(兼宣誓書)(投票所入場整理券の裏面)
新住所地(投票用紙送付先)の記載欄(請求書(兼宣誓書)の左側)

確かにこの手続きを踏めば新百合ヶ丘の麻生区選挙管理委員会に行くことなく、逗子で投票できるものの、

  • 投票用紙を郵送してもらうための「請求書(兼宣誓書)」の送付の郵便代は、自己負担となる(84円で済むといえば済むのだが、たまたま移住後3か月経っていないから発生してしまう痛い出費だ)
  • 投票用紙の到着まで日数を要するので「請求書(兼宣誓書)」は早めに郵送しなければならない

という負担はあります。

それでは、結局どうするか。

おわりに〜結局どうするか

7月4日に新百合ヶ丘に行く用事があるため、そのついでに、麻生区選挙管理委員会に寄って期日前投票をすることにしました。

新百合ヶ丘での用事のついでに立ち寄れる時間があり(15分程度と思いますが)良かったです。

「請求書(兼宣誓書)」の記入の手間、封詰めや宛先記入の手間、切手代の負担、投函の手間が省けます。

また、投票日は7月10日であり、6日早く投票先を決める必要が生じることになりますが、参院選は考える時間がまだ十分にあるので、大丈夫そうです。

今回はたまたま移住から3か月以内だったためこのようなことになりましたが、移住先が新幹線や飛行機や高速バスで行くような遠隔地だったら、「請求書(兼宣誓書)」の記入や発送をしなければならないところでした。

制度の趣旨(特定の候補者を勝たせるための引越しを抑止する)は理解できましたが、手続き方法については、デジタル社会の今、効率化を図るためにも変える必要があると考えます。

例えば、「請求書(兼宣誓書)」の送付手続きを、マイナンバーカードとマイナポータルを使って、ネット上で完結することが考えられます。

さらにいえば、投票用紙による(紙面での)投票から、オンライン投票に移行すべき時代になってきたようにも思います。匿名性の担保など課題はありますが、オンライン投票の実現に向けて、政治や政府に期待します。

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