商談を断るとき。断りの連絡を入れる、入れない、どちらがいいか?
目次
はじめに〜2通りの断り方
税理士業務でも税理士業務でなくとも、商談を断られるというのは、よくあることです。
商談をする当方としても、契約締結に向けて常にベストを尽くしますが、ニーズに応じきれないこともあれば価格や納期で折り合いがつかないこともあり、断られることはままあります(お断りすることもありますが)。
断られることそれ自体は、ビジネスではよくあることと認識し、いちいちくよくよせず、次に行くようにしています。
しかし、私は、断られるのは良いけれど、断り方というものはあると思っています。
特に、断りの連絡をひと言たりとも入れない方に、良い印象はとても持てませんし、
ビジネス以外の場所で会う機会が生じたとしても、その方とは良い人間関係を持てません。
断るのは構いません。私も断られるリスクというものはいつも認識しています。
しかし、断りの連絡をひと言でも入れるかどうかは、ビジネス以前の問題で、人間関係を構築できないか、人間関係にヒビが入ると思っています。
最小限の分類をすると、断り方は2通りだけです。
- 断りの連絡を入れて断る
- 断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断る
断る方法その2:断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断る
私は、このような断り方をされるのは、とても不快に感じます。
断りの連絡を受けて断られること自体には、確かに断られた瞬間はへこんだりもしますが、今回は縁がなかったと思うようにして、へこむ時間を最小限にできます。
そういう意味で断られること自体は構わないのです。
しかし、断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断るというのは、とても不快に感じます。なぜならば、
- そもそも、断る意思が言語化されていないので、もやもやした不快感がある
- 単なる商談の断りにとどまらず、ビジネスを離れたところでの人間関係すら拒否されたように感じるから不快である
- 断りの連絡を頂いた場合に比べると、踏ん切りがつくのに時間がかかる
- そもそも断りの連絡を頂けないこと自体に、人間扱いされていないと感じることもある
商談をされる方も、受ける私も、感情を持った人間です。機械ではありません。
断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断るやり方は、人間扱いされていないようで私は嫌な気持ちになります。
「断り方」と入力してググると、さまざまな断り方の書いてあるHPがヒットしますが、「断りの連絡を入れない」という「断り方」はなかなか見かけません。
もちろん、断りの連絡を入れないで断るということを、頭の中で明文化したポリシーとして掲げて実践していらっしゃる方もいるでしょう。
近年は時間の希少価値が注目されていますから、断りの連絡を入れる時間すらもったいないから、断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断るやり方を意図的にされている方もいらっしゃると思います。
しかし、そのような時間の節約の仕方をされるのは、やはり不快に感じます。このような人と人間関係を作るのはほぼ無理です。
もっとも、断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断るからには、ビジネスを離れたところでも相手と人間関係を作らないという覚悟はお持ちだと思いますが。不快は不快です。
断る方法その1:断りの連絡を入れて断る
私は、断られるなら、この方法によってもらった方がいいです。
断られた瞬間にへこむだけで済む上、そもそも断りの連絡を入れるということ自体にその人の「礼儀」を感じますし、ビジネスを離れたところで会う機会が生じたとしても、そのような方とは人間関係を作ることができそうです。
私も、商談をお断りする場合には、必ずお断りの連絡を入れるようにしています。
もっとも、ダイレクトメールのように顔も合わせないで一方的に送られた営業メールは、その営業メールの「配信停止」のリンクをクリックし配信停止の操作をするか、あるいは返信に「ご案内は一切不要です」といった趣旨を書いて返信しています。
お断りの連絡は、メールにて、相手に失礼にならないように気をつけているつもりですが、最低限、以下のような意味合いのフレーズはつけるようにしています。
「この度はご要望に添えず申し訳ございません(中略)末筆ながら貴社ますますのご発展をお祈り申し上げます」
お断りすることに対して謝意を示し、その上で、相手の発展をお祈りする旨の一言を添える。最低限これだけはやるようにしています。
アウトルックなら「クイックパーツ機能」でお断りの文章を定型文として登録しておく
ここでは「クイックパーツ機能」の説明は省きますが、これをやっておけば、一から文章を作り込むよりもかなり短い時間で、お断りの連絡メールを作って送ることができます。
断られる側としては、クイックパーツ機能を使っていたとしても、そもそも断りの連絡を頂けているので、断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断られるよりは、はるかに印象がいいです。
おわりに〜世の中は案外狭い。人と人とはどこかでばったり再会することもあるから、ビジネスを離れたところでの人間関係も意識したい
私は、私を嫌いな人は、嫌いですし、私を好感を持てない人を好きになる自信は、ありません。
- 商談の相手方とはそもそももう人間関係を持ちたくなかったり、
- 相手方に全く好感が持てないために、
明確な意思とポリシーを持って、断る方法その2「断りの連絡を入れないで(音信を断つことによって)断る」を行使されるのであれば、それは止むを得ません。
された側は不快感を覚えますが。明確な意志とポリシーの上でのアクションならば仕方ないです。
しかし、
- 単に忙しいから断りの連絡をしない
- 断りの連絡をする時間が取れなかった
- そもそもポリシーとしてではなく何となく断りの連絡をしないで(音信を断つことによって)断っている
ならば、それはとても残念です。明確に相手方と縁を持ちたくないからという理由ではなく、時間が取れない、忙しい、何となくという理由で相手方の不快感を誘ってしまうのは、残念です。
世の中は案外狭く、ビジネスの商談ではうまくいかなかったとしても、ビジネスを離れたところでばったりと会ってしまうことはままあります。
そのときに、気まずい思いをしてしまうのは、残念です。
確信して「相手方と人間関係をつくりたくない」なら、覚悟を持って断りの連絡を入れないで(音信を断って)断るので気まずい思いなどしないでしょうが、
そうでないならば、断りの連絡を入れて断った方が良いと、私は考えます。
人間関係は円滑な方が、居心地はいいです。そうあるために、断りの連絡はしっかり入れたほうがいいです。