会計ソフトへの入力モレ防止。事業の支払いは全て銀行振込・口座振替orクレジットor同期可能な電子マネーで。

入力モレを防ぐのも、クラウド会計ソフトを使う意味のひとつ

クラウド会計ソフト専門事務所として当事務所では、クライアント様に「支払いに現金を使わない」ようアドバイスしています。

(執筆時点において、支払は現金のみしかうけつけない会社やお店もあるので、現金を全く使わないことは不可能ですが、預金からの振込や口座振替やクレジットカード払いが可能であれば、現金払いをやめてこれらの支払い方法に切り替えるよう、アドバイスしています。)

さらに、預金からの振込や口座振替における銀行はクラウド会計ソフトにデータ連動(同期)可能なネットバンキングにし、クレジットカードや電子マネーも同期可能なものにします。

そうすることで、クラウド会計ソフトに同期する出金データ(決済データ)には事業の支払いがもれなく含まれることになり、入力モレを防止することにつながっていきます。

現金払いだと、入力を忘れやすい~「慣れてしまったら危険」と感じよう

「このほうが慣れている」と言って、慣れていることを理由に、現金払いしているケースは今でも見かけます。

口座振替やクレジットカード払いにできるお店の電気代、ガス代、水道代、電話代などの通信費を、わざわざコンビニエンスストアで現金払いしたりしています。

現金払いすると、現金の入出金はクラウド会計ソフトにデータ連動(同期)しないので、手入力や、エクセルインポート(そのエクセルデータも手入力で作成)によるクラウド会計ソフトへの登録が必要になってしまい、手数がかかり面倒な上、登録を忘れやすくなります

手入力では、まったく白紙の状態からの入力、同期したデータと違い日付や金額も入力しなければなりません。

(同期したデータなら、あらかじめ日付と金額が入力されている上、クラウド会計ソフトの機能により勘定科目や取引先名、品目名が推測されて候補として表示され、登録の手間がかなり省ける)

「慣れ」とは恐ろしいもので、慣れてしていることが非効率だったり、ベターとは言えなかったり、間違っていたとしても、それを「妥当」「正しい」「やるべきことをやった」としてしまいがちです。

この「慣れの罠」私を含めてだれでも陥ることといえます。

2020年の現代ほどテクノロジーが十分普及していない時代(1900年代以前)においても「慣れ」は恐ろしいものだったと思いますが、テクノロジーの進化が凄まじく早い現代において「慣れ」とは恐ろしいものであることを、強く意識すべきではないでしょうか。むしろ「慣れてしまったら危険」くらいに感じるべきでしょう。

私も「慣れてしまったら危険」と感じるよう細心の注意を払うようにし、慣れてしまったら「慣れた(現状の)方法でいいのか?」と現状を疑うようにし新しいものには積極的に挑戦する、やってみるようにします

入力モレがあとから(確定申告書を提出して申告期限を過ぎてから)判明してしまうと追加の手続が必要~更正の請求

確定申告書は確定申告期限までは、再提出ができます(これを訂正申告といいます)。

その年(その事業年度)に係る確定申告期限までにモレが判明すれば、確定申告書の訂正作業が間に合えば訂正申告できるでしょう(ぎりぎりの訂正作業は過大な負荷がかかりミスを誘発しやすいので避けたいのが正直なところです)。

しかし、確定申告期限を過ぎてから経費(経費となる支出)の入力モレが判明してしまった場合には「更正の請求」という手続きをする必要が生じてしまいます。

更正の請求とは、(経費が過少=所得が過大だったことなどにより)納める税金が過大だったり、還付される税金が過少だった場合にする手続で、「更正の請求書」を作成して税務署に提出する手続です。税務署では提出された更正の請求書を検討して認められれば、還付を受けられます。

更正の請求の手続きが可能な期間には制限があって、確定申告期限(法定申告期限)から5年以内です。

なお、(経費が過大=所得が過少だったことなどにより)納める税金が過少だったり、還付される税金が過大だった場合には「修正申告」が必要になってきます(本投稿では説明を割愛します)。

おわりに~入力モレを防ぐ目的は納税のみならず「根本的には経営のため」

クラウド会計ソフトは、経営に欠かせない売上や損益や資金繰りのデータタイムリーかつスピーディーかつ的確に示すツールです。この役割を確実に果たせるようにするために、入力モレを防ぐ必要があります。

そして、効率的に入力モレを防ぐ手段として、現金支払いをしないで、同期している銀行口座からの振込や口座振替、同期しているクレジットカードでの払い、同期している電子マネーでの支払いにするのです。

現状すなわち足元の経営状態を的確に知り、経営の質の向上につなげるためには、入力モレを無くし、なおかつ効率的な方法で入力モレを無くす必要があります。

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