かんたんに、ざっくり読む、というか見る、貸借対照表
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目次
義務教育では勉強しないかもしれないけど
四則演算は義務教育で習いますし、高校に進学していれば、代数・幾何、微分・積分、確率・統計のような、より高度な数学を勉強してきたと思いますが、
貸借対照表については、高校を卒業していても勉強したことが無い、という方が多いかもしれません。商業高校で勉強するか、大学で会計学を履修するか、あるいは社会人になってから自分で勉強しようと思わないと、貸借対照表とは出会わないかもしれません。
貸借対照表は、個人事業でも会社でも、企業の経営には当然重要ですが、
家計にもっても重要なものといえます。現金預金と持ち家とマイカーは資産、クレジットカード残高と住宅ローンとマイカーのローンは負債として、家計においても資産と負債をひと目でみることは必要なことです。
貸借対照表は重要なものでありながら、ちょっと勉強すれば誰でも理解できるものでもあります。はっきり言って高校の数学よりも簡単で、それでいて高校の数学より重要です。企業と家計を守るツールとして。

貸借対照表は、左に資産、右に負債と純資産、左右に分かれる表で、左の合計金額と右の合計金額が一致する表です。
そして、ここではざっくりと、以下の分類を覚えれば大丈夫です。
- 資産→流動資産と固定資産
- 負債→流動負債と固定負債
- 純資産
なお、資産と負債については、専門的な定義もありますが、ここではざっくりと、
- 資産→財産
- 負債→将来、お金を支払う義務
- 純資産→資産と負債の差額
ひとまず、このように理解すれば大丈夫です。
流動資産(上の画像の青色部分)
現金、預金(期間が1年以内のもの)、売掛金、在庫、その他1年以内に現金化できると認められる資産で構成されます。
現金と預金が含まれるところがポイントで、流動資産は支払能力を表現するといえます。
現金と預金以外は「一年以内に現金化できる」こと、そして売掛金と在庫に代表されるとおり「企業の通常の取引で得た(営業上の)資産」であることに特徴があります。
固定資産(上の画像の紺色部分)
流動資産以外の資産が固定資産となります。1年を超えて使用される資産、あるいは1年を超えて現金化されるもので構成されます。
具体的には、
- 有形固定資産→土地、建物、機械、設備、車両など有形の資産
- 無形固定資産→特許権、商標権、ソフトウェアなど無形の資産
- 投資その他の資産→敷金、子会社株式、その他現金化まで1年超の投資
があります。
お店であれば、敷金や保証金(投資その他の資産)、設備投資の金額(有形固定資産)が入るのがポイントです。
流動負債(上の画像の濃い黄色部分)
1年以内に支払わなければならない負債がここに来ます。短期的な(喫緊の)支払い額がいくらかが分かる部分です。
例えば、買掛金(など仕入債務)、未払金、借入金のうち1年以内の返済額、(1年以内に売上に充当される)前受金がここに来ます。
固定負債(上の画像のクリーム色部分)
支払いまで1年超の負債(流動負債以外の負債)がここに来ます。例えば借入金のうち返済まで1年超の金額がここに来ます。
長期的な支払額が分かる部分であり、長期的に返済が猶予されている調達金額がいくらあるかを示します。
純資産(上の画像の緑色部分)
純資産は、資産と負債の差額であり、ここが常にプラスであることが大変重要になります。
負債のほうが資産よりも多額になってしまうと、支払い義務のある金額が資産の金額を超えてしまう債務超過の状態として、企業の存続上、危機といえます。
構成される項目をざっくりいえば、元手としての資本金と、設立後現在までの利益の蓄積である利益剰余金から構成されます。蓄積を示すという点で、純資産は企業の歴史=社歴を表現するともいわれます。
おわりに
負債と純資産は資金の調達源、資産は資金の運用形態を表します。右側に資金の出し手がいて、左側で具体的な配分が(経営の結果)決められているといえます。
そして、上下は、上に流動、下に固定となります。上にいけばいくほど入金と支払いまでの期間が迫っています(左側(資産)の一番上は現金そのものです)。下にいけばいくほど、入金と支払いまでに長期間を要するものになります(右下(純資産)は返済がそもそも不要なものです)。
このように、貸借対照表は上下左右に見ていく表であるといえます。
(本投稿の執筆時間 60分)