公認会計士と企業の経営について、徒然なるままに

(カフェにて iPhone Ⅹ)

公認会計士の仕事の3本柱

公認会計士の仕事は、大きく分類すると次の3つになります。

  • 監査業務(登録政治資金監査人のように、弁護士や税理士にも可能な監査の種類もありますが、公認会計士の独占業務とされています)
  • 経営コンサルティング業務(コンサルは資格がなくてもできますが、実務経験と専門的知識を生かして、会計や財務、内部統制といった会計系コンサルをしている会計士は多く、経営戦略、組織の設計、マーケティングや販売戦略などの戦略系コンサルをしている会計士もいます)
  • 税務(公認会計士は、税理士登録をすれば、税理士として税務が可能になります)

この3つは、それぞれ異なる仕事ですが、企業の経営に密接に関わる仕事という観点からは、つながっているといえます。

企業の経営に密接にかかわる

経営コンサルはもちろん企業の業績(パフォーマンス)を改善、向上させるために行います。

税務もまた、税務相談における課税リスク(課税される可能性)のある取引の洗い出しや節税策の提案、納税額シミュレーションを通して、企業の財務活動に影響するというかたちで経営に影響のある業務です。

会計監査も、決算書(財務諸表)を利用する投資家、株主、債権者のために監査報告書を発行する、そのために、会計を裏付ける証拠の確認や、会計数値を集計する業務プロセス、内部統制のテストを行うものではありますが、結局は、そうした一連の監査業務を通して浮き彫りにされた企業の経営管理上の問題点の把握とその企業への報告、企業との協議を通して、企業経営の向上に資するために行なっているといえます(監査報告書が監査のプロダクトですが、監査報告書を提出することだけが仕事ではない。監査を受けるのは、監査される企業自身のためでもある)。

税理士で経営コンサルをしている方は多いので、公認会計士と税理士はかなり業務がかぶることになるのですが、公認会計士は、私のようにキャリアのスタートに監査業務を選ぶ人が多いこともあって(スタートが企業の経理部門や、税理士法人という人もいるが、途中で監査業務にキャリアシフトする人も中にはいます)、監査業務を通じた企業の経営環境の理解、会計上のエラー発生のリスクの判断、会計業務プロセスや内部統制の評価に詳しくなっていくことを通して、企業の経営管理、経営コンサルの方向に精通していくパターンが多く、公認会計士の社外役員(社外取締役、社外監査役)や組織内会計士(企業の役員や従業員として、経営管理業務に従事する)として活躍している人も多いです。

まとめ〜今後の自分の方向性も含め

現在のところ、公認会計士には更新という制度がなく、研修を受ける義務はありますが(CPEといって、3年間で120単位(1単位=研修1時間)以上研修を受ける必要があり、単位を充足できないと業務停止などの処分を受けることとなる。多くの監査法人では、単位を充足できないと業務に従事させない方針を取っている。)、一生涯有効な資格です。

もちろん、資格だけでは食べることはできず、勉強も営業も実務経験も積み上げなければなりませんが、企業経営に精通していくことで、自ら経営者となったり、経営陣のブレーンとして経営戦略の立案や、組織や業務の設計に携わることも、長いキャリアの過程では可能なわけです。

特に人生100年時代、生涯現役時代において、単一の業務に終わらず、複数の様々な業務を経験できる、その土台として公認会計士の経験を役立てられないかと思います。

もっとも、人事や生産管理、マーケティングやブランディング、販売戦略のコンサルティングを手がけるには、会計・監査・税務とはまた異なる経営の分野なので勉強して知識を補強していく必要はありますが、監査業務を通じて、監査上必要な企業のあらゆる書類を閲覧できる上、監査上必要なあらゆるインタビューができるという経験の蓄積を、経営コンサルティング〜ひと・モノ・金・情報・時間という経営資源を有効活用して企業のパフォーマンスをさらに高めることに生かしていきたいと思っています。

(本投稿の執筆時間 60分)

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2018年6月8日(金)

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