会計にかかる手間を削減するには、まず感覚を大事に

会計・経理というのは、往々にして手間(工数)や時間がかかる割には、売上収益の獲得につながらない業務と捉えられます。面倒に感じていらっしゃる方は少なくなく、面倒に感じる気持ちもわかります。

しかし、会計・経理業務の結果作成される決算書や決算データは、月次、四半期、年度ごとにとても重要で、納税(納税予測含む)のみならず、経営改善のヒントとなる財務情報が得られます。上場企業であれば短信、四半報、有報と投資家向けディスクロージャーが必要なため一層欠かせない業務ですが、上場企業ではなくとも、会社やお店の維持・成長のために、会計・経理は欠かせないといえます。

そこで、手間やかかる時間をなんとか削減しながら、経営や納税に役立つ決算データをつくりあげることが重要です。まさしく会計・経理における働き方改革が重要ということです。

最近特に思うのは「手間がかかるなあ」「面倒だなあ」という感覚を大事にすることが「働き方改革の第一歩」ということです。手間がかかって非効率を感じるのに改善のための時間も取れず、あるいは取らず、我慢して現状の業務を続けてしまうというのは、もしかしたらありがちなことかもしれませんが、我慢を重ねてしまうと感覚が鈍ってしまいます。心理学の世界では「感情鈍麻」(感情が鈍ってしまい、健康な人であれば感じる喜怒哀楽などの感情を感じにくくなること)という用語がありますが、業務の世界でも感覚の鈍麻はありえます。

それで、我慢を続けているうちに、非効率が蓄積されてしまい、それが経営の低迷要因になったりします。

「手間がかかるなあ」「面倒だなあ」という感覚を大事にしながら、どうしたらもっと手間を減らせるか、効率的にできるかを具体的に実践したほうが、企業全体にとっても良い効果があるはずです。

さて、当事務所でも使っていますが、クラウド会計ソフトが普及してきました(当事務所ではfreeeを使っています)。クラウド会計ソフトでは、ネットバンキングのデータやクレジットカードのデータを会計ソフトに取り込んで(同期して)、ワンクリックあるいは自動的に、会計データとして登録できます。紙の通帳やクレジットカードの明細書を見て逐一入力するのに比べると、入力ミスの可能性はほとんど消え(勘定科目や摘要欄はチェックする必要があるも、日付と金額がそのままミスなく登録できるのは大きい)、入力時間も大幅に削減できます。

同期による手間の削減に慣れてしまうともう後戻りはできません。積極的にクラウド会計ソフトで同期をした方が良いです。

もっとも、クレジットカードのデータは、クレジットカード会社の締め日以後にまとめて同期されるのが現状なので、決算を早く済ませるには、エクセルデータ化して会計ソフトにインポートしたほうが早いでしょう。この点はクラウド会計ソフトの改善が望まれるところです。

領収書やレシートをスマホで撮影して、その画像をクラウド会計ソフトにアップロードして画像読み取りによって自動的に日付や金額が埋まる機能も活用したいところですが、読み取った結果が誤っていることも少なくなく、さらなる改良が望まれます。

売掛金の消込も、クラウド会計ソフトの売掛データと、ネットバンキングの同期した入金データをマッチングさせ、ワンクリックで売掛金の入金処理(消込み)ができるようになりました。

手入力は、ミスの可能性もあり、そもそも時間がかかるため、なるべく手入力の手間を省けないかと思うとともに、考えたり試したりする時間を作って、もう少し早く会計・経理業務を終えることができないか、工夫を重ねていきます。

(本投稿の執筆時間 47分)

 

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