村上春樹さんのファン歴1年ながら、かなりハマっています。
以前から知っていたが、火がついたのは最新の長編小説だった
村上春樹さんのお名前は、少なくとも学生時代以前から知っていましたが、初めて著作を読んだのはそれほど昔のことではなく、5年くらい前のことです。
「走ることについて語るときに僕の語ること」(文春文庫)でした。ランニングを始めたのがきっかけでした。
1回目では、なるほどなあと思うに過ぎなかったものの、2回、3回と繰り返し読むごとに、走っている時の精神状態、メンタリティについて、とてもダイナミックかつ克明に描写していることや、体の細部を丁寧に観察しつつトレーニングをされていることについて、印象を深めています。現時点では4回読了し、ランニングを続ける限りは再度読みそうな気がしたので、今も手元にあります。
もっとも、この1冊では、熱烈にハマる、という状態にはなりませんでした。熱烈にハマるようになったのは、最新の長編小説「街とその不確かな壁」(新潮社)を読んでからでした。読んだきっかけは、NHKのラジオのニュースで、発売されたことが報じられたこと。最新刊、読んでみようかなあという、軽い気持ちからでした。
読みはじめて、読み進めて、だんだんハマり、
読み終えた時には、他の作品も読んでみたい!という気持ちが強く湧いてしまいました!
なんでそんなにハマるようになったのか。
- 文章表現が非常に深く、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感を刺激する。もしかしたら、第六感も刺激されているかもしれないくらい。
- 文学や心理学や芸術だけではなく、哲学や医学や天文学や経済学や政治学や理工学など、あらゆる学問分野への造詣を感じさせ、知的好奇心を刺激する
- 文体が肉体的なところであり、無機物であっても筋肉や内臓を有しているような感覚を覚えるところで、人間を含めた生物の描写は、生命力の強弱が繊細に表現されている。本が呼吸しているみたいに感じるくらい。
- 主人公の暮らしがとても丁寧で、主人公のように日々の家事をやりたいと、憧れをもって思わせる。
- 登場する食事やドリンクが、しばしば上質で、「街とその不確かな壁」においては、ブルーベリーマフィンをとても食べたいと思ってしまったくらい。
もちろん、ストーリー展開もとてもワクワクしたりスリリングであったりし、ついついページをめくってしまいます。
現在までに、写真に掲げている長編小説を読了し、それに加え、「ノルウェイの森」「職業としての小説家」を読了しました。
全作品読みたいと思っています!
現在は、村上さんの初期の「青春三部作」と呼ばれる、
- 風の歌を聴け
- 1973年のピンボール
- 羊をめぐる冒険
を、順次読み進めています。
そろそろファン歴1年というところですが(もっと早くに読み始めていれば良かったと思うくらいですが)、すでに、全作品を読みたいと思ってしまっていますし、
友人にTOKYO FMの「村上RADIO」を紹介してもらって、毎回聴くようにもなりました。力強くて優しい洗練された話しぶりと、地中から掘り起こして磨き上げたような選曲は、まるで面白い大学の授業を聴いているみたいです。
村上春樹さんへの熱、冷めそうにありません!