2020年の今になって気がついた「アルスラーン戦記」の完結、21年がかりでやっと読了。

コロナ禍で外出自粛中にKindleを見ながら「ふっと」思い出した。

アルスラーン戦記は1986年(私が中1のとき)に「王都炎上」(第1巻)が刊行されたのですが、初めて読んだのは1999年、25歳のとき(公認会計士2次試験の受験勉強のとき、息抜きで)でした。当時仲良くしていた大学時代の友達がアルスラーン戦記の話題で盛り上がっていて、読んでみたいと思って手にとってみました。

当時は角川文庫版で、第10巻「妖雲群行」まで、面白く一気に読み進み、読み終わった後も1、2か月ほど物語の余韻に浸っていました。

晴れ渡った夜空のような瞳”アルスラーンの出会いと経験と成長、黒衣の騎士ダリューンの剛勇の鮮やかさや頼もしさ、宮廷画家ナルサスの知略への驚き・・・アルスラーンをとりまく登場人物たちのキャラクターが濃く、愛情込めてカラフルに描写されており、さらに中世ペルシアや近隣の地域の自然、建築や食をはじめとする文化の描写が丁寧で、努力せずとも自然に物語の中に没入してしまうほど想像力を働かせたものでした。公認会計士2次試験の素晴らしい息抜きにも。

1999年の「妖雲群行」からはしばらくブランクがあり、続刊「魔軍襲来」(第11巻)は2005年9月、「暗黒神殿」(第12巻)は2006年12月、「蛇王再臨」(第13巻)が2008年10月に刊行され、それぞれ買って読みましたが(いずれも光文社カッパ・ノベルス)、その後は続刊がなかなか出なくなり、刊行をチェックするだけの余裕が無くなり、関心も薄れ、いつしかアルスラーン戦記から意識が離れていってしまった上に、

昨年だったか一昨年だったか、自宅の断捨離で本を売却する際にそれまで手放さずに持っていたアルスラーン戦記第1巻〜第13巻も、売却してしまいました。

さて2020年の今年、コロナ禍・外出自粛で家で過ごす時間が例年よりずっと長く、iPadやiPhoneで読書したり動画をみたりしている中で、先月Kindleを眺めながら、「ふっと」思い出したのです。

「アルスラーン戦記」もう一度読んでみようかなあ。

そこでアルスラーン戦記を検索すると、なんと完結していることを知りました。2020年5月にして初めて知る「アルスラーン戦記」完結。

第14巻「天鳴地動」が2014年5月、第15巻「戦旗不倒」が2016年5月、第16巻(最終巻)「天涯無限」が2017年12月に刊行されていました。

長いことアルスラーン戦記への関心が、極限までといっていいほど薄れていて、「蛇王再臨」までのストーリーをほとんど忘れてしまっていました。「天鳴地動」から読んでも流れがよく分からないかもしれないなあ、と思い、ブックオフでカッパ・ノベルス版を第1巻から中古で全て買い直しました。

なお、アマゾンではこちらで光文社文庫版を購入できます(現時点で第15巻まで)→アルスラーン戦記 (光文社文庫) 1-15巻 新品セット セット買い

第16巻(最終巻)は光文社文庫版は未発刊で、新書サイズのカッパ・ノベルス版のみ販売中です→天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス) (日本語) 単行本(ソフトカバー)

12年ぶりに読んでみて、読了して。

12年は振り返るとあっという間な感覚もしますが、やはり、長かったです。

まず、改めて「王都炎上」から読み直して良かったです。「天鳴地動」より前のストーリーの記憶を鮮明にして、最後まで没入し切れたと感じたからです。

「蛇王再臨」までは一度読んでおり、完全に初めてではないのですが、あたかも初めて読むような感覚で、ワクワクしながら、ついつい寝る時間を1時間程度遅らせることもしばしば、冒険の世界に入り込み、読み進めてしまいました。

初めてアルスラーン戦記に触れてから21年。あの時盛り上がった学生時代の友達はどうしているのかなあといった思いを含めて懐かしさもありましたが、

物語は、全く色あせていないと感じました。

晴れ渡った夜空のような瞳のアルスラーン、黒衣の騎士ダリューン、智略の軍師で宮廷画家ナルサス、絶世の美女ファランギースに、旅の楽士にして色事師ギーヴ・・・

自分自身も人生経験を多少なりとも重ねたからなのか、登場人物たちのイメージは、今の方がいっそう膨らんだ状態で私の意識の中に蘇ったような感覚がありました。

しかしながら、ネタバレになるので詳しく書きませんが、蛇王が再臨してからの、アルスラーンをとりまく主役クラスの登場人物の「死に方」については、それまでの登場人物への愛情たっぷりの描写や、表現の繊細さのレベルが高かっただけに、あまりにあっけなく、拙速な印象を持ってしまいました。「こんな簡単に死なせて欲しくない」的な感じで。

蛇王の再臨から最終巻の幕引きまで、生き急いだというか終え急いだ(書き急いだ)ような、感覚を覚えます。アルスラーン戦記の残念に感じるところです。

それでも、完結させたのは何よりだったと思います。1986年の「王都炎上」から2017年の「天涯無限」まで31年間、続刊までの長いブランク(特に2008年「蛇王再臨」から2014年「天鳴地動」までの約6年は、アルスラーン戦記からの関心がほぼ無くなってしまうほどの長さ・・・)もあり、あまりに長すぎましたが、

31年間にわたる完結、お疲れさまです。

おわりに〜コミック版とアニメ版も見てみたい。

さて、コロナ禍の中で知ったのはアルスラーン戦記の完結だけではありませんでした。

2014年にコミック版が刊行され、2015年と2016年にアニメ版が放映され、そして昨年はミュージカルが上演されたこと、全く知りませんでした。

31年間にわたる小説版の「アルスラーン戦記」については、様々な感想がありますが、それだけにというべきか、世代を超えて長きにわたって読み継がれる作品になったように感じます。

動画で配信されているアニメ版を少し見てみていますが、アルスラーンの「晴れ渡った夜空の色の瞳」はアニメではこんな風に描かれているのか、なるほどという発見がありました。アニメに吹き込まれる登場人物たちの魂や息遣い、楽しみです。

コミック版はまだ入手していませんが、コミック版もまた読んでみたいと思っています。

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