最近読んでいる本〜マルコム・グラッドウェル〜「1万時間の法則」を知ることから始まったマイ読書ブーム

はじめに〜1万時間の法則

ブログをお読みの皆さま、「1万時間の法則」ってご存知でしょうか。

この法則は、何かのプロフェッショナルないし専門家となるためには、最低1万時間、その「何か」に取り組む必要がある、というものです。

例えば、監査のプロフェッショナルとなるためには、(公認会計士試験に合格していることを前提に)監査業務を最低1万時間する必要がある、ということです。

例えば一日に6時間、監査業務をするとすれば、1万時間の監査業務に必要な日数は1,667日(1,666日と4時間)。

土日祝日や休暇(GW、お盆、年末年始その他で年間30日程度)も考慮して、年間220日監査業務をするとすれば、1,667日は7年7か月程度(7年と127日)。大手監査法人でいえば、入所8年目のシニアか、マネージャーになりたてのときに1万時間を迎えることになります。

個人差はありますが、大手監査法人でマネージャーに昇進するのは入所8年目〜10年目くらいなので、監査従事時間1万時間超を見込んで、おおむね合理的に昇進年次を設定しているものと思われます

私は、大手監査法人ではマネージャーに昇進せずに退職しましたが、現在も非常勤で監査業務をしており、監査法人で監査業務に従事した年数7年を合わせると、1万時間には達しています。税理士業務については独立してから5年8か月、まだまだ1万時間には達していません。

最近は、この「1万時間の法則」を意識して、キャリアを組み立てる人がちらほらいるのを感じます。入社してから8年で違う種類の仕事を経験できる部門に移動したり、あるいは転職したりして。

人生100年時代に突入し、定年制度にとらわれず長期にわたって仕事をすることを念頭に、ある仕事で1万時間経験し、違う仕事で1万時間経験し、また違う仕事で1万時間経験するなど、複数の仕事のスキルとノウハウを掛け合わせて、労働市場における希少性を高めている人も増えているように見受けられます。

さて、前置きが長くなりましたが、この「1万時間の法則」については「天才!成功する人々の法則」マルコム・グラッドウェル(著)、勝間和代(訳)に詳しく書かれています。この本を読んで、1万時間の法則について詳しく知るのみならず、マルコム・グラッドウェルさんの人物(人物の心理)と、人物を巡る背景や環境に深くアプローチする書きぶりに興味を持ち、他の著書も読み進めています。

マルコム・グラッドウェルさんを読み進めて

今読んでいるのは急に売れ始めるにはワケがある〜The Tipping Point、高橋啓(訳)

何事も「なぜ」を突き詰めれば、必ず(根源的な)理由に突き当たるといわれます。どんな現象にも理由があるものです。そのことをよく理解できる一冊がこれでした。ブームや流行には必ず理由とか、経るべきプロセスがある。特に、ブームや流行が起こる仕組み〜(1)少数のキーパーソン(コネクター、メイヴン、セールスマン)が関与し(2)ブームを構成する要素(言葉や映像や音響など)に「粘り」があり(3)背景(環境や状況)が作用すること〜が、豊富な事例と、心理学的、統計学的な考察を交えて紹介されているところに興味を持って読み進めています。

日本でも心理学は発展していますが、この著書が2000年に単行本として刊行されたことを考えると、アメリカにおける心理学や統計学、マーケティング理論はかなり広く深く進んでいることが読み取れます。

私自身も、直接体感したり、メディアを通して見聞したりするブームや流行、社会現象を、捉えて理解する際のフレームワークとして活用できそうです。キーパーソン(コネクター、メイヴン、セールスマン)、粘りの要素、背景の3つを発見できるように観察していきたいと思っています。観察を繰り返すことにより、自らブームを仕掛けられるようになればしめたもの、です。

そして、以下もすでに一読しました。

最初の「第1感」は、第一印象のもたらす好印象にしても、違和感にしても、だいたい正しいということを、事例と心理学的考察をあわせて、わかりやすく解説しています。

2番目の「逆転!」は、見た目相当な強者が、見た目相当な弱者と戦うシーンで、一見すると弱者にとっては勝ち目がないと思えることでも、強者の盲点を突いて負かすことができるということを、これも豊富な事例と、多角的な視点と、統計学的・心理学的な考察で書き進められています。

まだ、一読しただけですが、思考停止に陥ることなく、落ち着いて考え続ける、観察し続けることにより、突破口を開いたり、ブレイクスルーを経験しうるということを教えてくれていると感じています。

おわりに

私の父は、私によくこう言って私を育てました。

食事代と、本代はケチってはいけない(十分栄養をとって、十分な量の読書をせよという意味)」

読書は、頭脳と心にとっての「食事」といえます。欠かすことはできません。青少年期において読書嫌いの時期が長すぎましたが、今後の人生においては、もっと読みたいです。

そして、読書を単なる知識のストックにしないで(しがちなのですが・・・)、実生活に役立てて、ブレイクスルーを実現したいところです。

(本投稿の執筆時間 100分)

 

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