患者は自分自身についてのプロフェッショナル、医師は医療と医学のプロフェッショナル

咳がおさまらないので呼吸器内科に

火曜日(5月29日)から咳が出始め、風邪かと思い市販の葛根湯を服用していました。しかし、昨日まで飲み続けても咳がおさまらなかったので、今朝、ついに医者に診てもらうことに。地元・新百合ヶ丘の呼吸器内科です。予約をしていなかったので、受付開始の朝8時30分より前に到着、すでに10人ほど並んでいました。そのあとにもひっきりなしに患者が来院。この呼吸器内科は本当にいつ行っても混み合っている印象です。

体温を測り(36.5℃と平熱に近い)、問診を受け、聴診器をあてられ、喉を診て、血液検査にレントゲン撮影(画像診断)に、呼吸のテストまで、念入りに検査されました。

肺炎ではないことは明らかになりましたし、特に病名のつくような病気ではなかったです。ウイルスによるアレルギー反応ではないかと言われました。疲労により免疫力が下がっているのではないかとの私の意見に「それも考えられます」とコメントされました。

今回は院長先生ではない方の医師でしたが、医師にしては珍しく(私が出会った医師の中では珍しく)、処方薬の量を「何日分にしますか?一週間分くらい出しておきますか?」と質問されました。

普段、診察を受ける際には、処方薬の量は医師の側が一方的に決定し、患者である私は、それに(ほぼ盲目的に)従うという習慣がついてしまっています。

ところが、今日の医師は、自分の回復見込み(回復時期や回復の程度の予想)を自分で見積もることを要請しているかのようでした。

私は一瞬思いました。これって、医師の責任放棄なのかな?と。

医師は医学や医療のプロではあっても、患者その人ではない

この一瞬の思いを、さらに一瞬考え直し、医師の責任放棄ではないと。

医師は医学や医療のプロではあっても、患者その人ではないから、患者の希望や患者の回復力についての患者自身の意見を聞こうという姿勢と捉えました。

さらに一瞬考え直したこの結論の方が妥当な感じがしました。

患者である私自身が、どのように症状と向き合って、治療して行きたいか。薬の強度や分量はどうしたいのか。

私がどのようにしたいのか、どのように症状を捉えているのか、どのような症状が存在するのか、どのように服薬したいのか。そうしたことを的確にプレゼンテーションし、施してもらいたい具体的な医療行為を要求する技術が必要ではないかと思いました。

もちろん、施してもらいたい具体的な医療行為は、医学的判断から、医師により修正され、より妥当な医療行為案に決定されます。患者の医療行為に対する希望や要望に、医師によるProfessional Judgeが介入して妥当な医療行為となる、ということです。

私のような医師ではない一般的な患者であっても、専門家である医師の言いなりにはならず、医師の言うことを鵜呑みにはせず、治療のための具体的医療行為に意見を述べたり希望を言うのは、重要なことだと認識しました。

会計士や税理士と、クライアントではどうか

さて、ここで、話を自分の業界、仕事に当てはめたくなりました。公認会計士や税理士は「経済社会のドクター」と言われるからです。医師と、会計士や税理士を比較するのは私の習性でもあります。

思うに、患者として、自分がどのような症状を呈していて、どのような治療が必要で、どのように服薬したいかは、自分のことがよく分かっていなければ、自分の健康管理がしっかりできていなければ、なかなか言葉にして表現するのは難しいのではないでしょうか。

自分の管理が十分にできていないから、自分の健康状態の医師への説明がうまくできず、結局医者の言いなりになってしまうのではないでしょうか。そうしているうちに、治療の過程で問題が起こるとなんでもかんでも医師の所為にしてしまう、という悪循環に陥ってしまうのではないでしょうか。

「治療は、患者の協力が得られないと成し遂げられない」とはよく言われますね。

医療の世界における患者は、会計士や税理士のクライアントに置き換えることができます。患者=クライアントです。

つまり、自社(自分の事業)の経営や財務の状況は、自社でしっかり管理しなければならないものですが、管理の手段である経理業務(会計業務)を自社でやらないで会計事務所に丸投げしてしまうということがよく見受けられます。これを続けると、自社が儲かっているのか、資金繰りは問題ないかといった「自社の健康状態」がよく分からなくなってしまいます。

結局は自社の「健康状態」の管理も、自社でやらずに「先生(会計士や税理士)に全部任せていますよ」となってしまい、「健康状態」がどうなっているかまで「先生」に聞かないと分からない、ということになってしまいます。自分の会社のことなのに自分ではない「先生」に「乗っ取られる」感覚です。

医者が患者その人の人生を生きられないのと同じように、会計士や税理士はクライアントである会社の経営はできません。

その経営を理解するための重要な業務である経理業務(会計業務)を会計士や税理士(会計事務所)に丸投げしてしまっては、経営者自身の言葉で自社の経営状態(健康状態)を語れなくなってしまいます。自社の経営状態を語れなければ、自社が自らどうしたいか決めにくくなります。

医師が医学的判断をするのと同じように、会計士や税理士は、会計上ないし税務上の判断(監査なら監査上の判断)をします。

そうした専門家の判断をあおいで、あとは患者自らで健康状態を回復させるのと同様、社長、経営者自らが会社の経営を立て直していくものです。

終わりに

改めて、当事務所では、記帳代行を受けないこと、そして、記帳の方法と記帳の結果である決算書の読み方は教えること、という方針を貫く必要があると認識しました。

会社の健康状態を把握する重要なツールである記帳(経理業務ないし会計業務)は、会社自らができるようになり(自計化し)、ドクターから診断される(助言される)前に、素早く対策を立てて改善するよう実行できる「健康な会社」になって頂きたい、という願いを込めて。

(本投稿の執筆時間 80分)

 

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