起業の資金調達としてクラウドファンディングも選択肢に
クラウドファンディング(crowd funding)
日本にもだいぶ浸透してきたのか、目立った報道は少なくなった感があります。
クラウドファンディングを簡単にいえば、インターネット上で仲介業者(MotionGallery、Readyfor、Makuakeなど)がプラットフォームをつくり、そのプラットフォーム上で起業家(プロジェクトの企画者、プレゼンターといわれる)が資金の調達を呼び掛けて、不特定多数の資金の出し手から資金を調達する、というものです。
調達の手法は(1)購買型(2)寄付型(3)投資型の3つで、(1)購買型が今もっとも日本に定着しているようです。
購買型は、資金拠出の見返りに、プレゼンターが見返り(リワードといわれます)を提供するというもので、リワードとしてよく見られるのが、プレゼンターが開発した製品やサービスとプラスアルファとしてのプレミアムな経験です。このリワードをもとめて、資金の出し手が資金を出すという意味で、リワードを購入するというふうにとらえることができます。
(個人的な見解ですが、リワードの対価は、リワードの中身のひとつである製品の価格が売上となって、中身のもうひとつであるプラスアルファのプレミアムな経験は、その中身によって、売上となったり、寄付の受け入れとして取り扱われることになると思われます。個別に内容を検討することになります。)
リワード=製品+プレミアム
と整理できます。
製品が、画期的だったりクリエイティブだったり斬新だったりするのは、当然、クラウドファンディングの成功要因なのですが、さらに、プレミアムの設計が重要なところで、クラウドファンディングに資金の出し手として参加する(「参加」と書いたのは、単なるリワードの購入客という意味合いではなく、クラウドファンディングにおける資金の出し手がそもそもプロジェクトに賛同して参加する、という意味合いがあるため)モチベーションがいかに高まるか、特別な経験ができると感じられるかにかかっています。
プレミアムとしてよく見られるのが、
・資金の出し手限定でプロジェクトの進行状況を報告すること、
・プロジェクトの企画者と資金の出し手との参加者限定型交流会など、
資金の出し手のみが参加できるイベントへの招待、
・プロジェクトが映画、演劇、建築物やリノベーションであれば、
クレジット、パンフレット、建築物の壁面などに
資金の出し手のお名前の刻印(クレジット)
記念になったり、起業家(企画者)や他の資金の出し手とのつながりが生まれたりと、単なる買い物客や資金の出し手としての役割を超えて、まさしくプロジェクトをともに創り上げる仲間としての役割を資金の出し手が持てるような、内容になっています。
クラウドファンディングの成功要因のもう一つは、プロジェクトの進捗状況などをプラットフォームなどで公開していくことはもちろん、いかにリアルな場で多くの人にプレゼンテーションできるかにかかっています。リアルな場で、というのが重要です。
たとえば、私が以前資金の出し手としてささやかながら協力した、松戸のカフェ、スローコーヒーによる「100%太陽光発電による焙煎コーヒープロジェクト」。スローコーヒーは、リアルな場でプレゼンテーションし、そこでリアルな交流を生み、プロジェクトへの共感を徐々に高めて結果としてFundingを成立させていきました。
そのスローコーヒー、新たに
「郡上発!水出しコーヒープロジェクト」を立ち上げましたが
https://motion-gallery.net/projects/SlowCoffeeGUJO
今回も、リアルな場でのプレゼンテーションと交流を活発に展開していて、
すでに日本仕事百貨のしごとバーでのトークショーを開催し、
来月8月2日(水)にはMidori.soでのランチ会を予定されています。
https://motion-gallery.net/blog/lunch-0802
まとめると、クラウドファンディングの2つの成功(Funding)要因は
1.起業家(企画者)と資金の出し手どうしの、つながりや参加感を高めるリワード(製品サービス+プレミアム)の設計
2.起業家(企画者)のリアルな場でのプレゼンと、そこでの交流による共感の醸成
そもそも起業とは、無から有を生み出すという意味で、画期的なこと。
クラウドファンディングで資金を調達し、同時にファンを増やしていくことも、選択肢として活用できる時代になりました。
(本投稿の執筆時間 54分)