売上ってどのタイミングで会計ソフトに登録(記帳)する?

月末を迎えました。
今日で今月の売上を締めて、来月早々お客様に請求する方も多いと思います。

月末締めの翌月払い、というふうに、売上を掛け売りにしている方にとって、請求と、代金の回収はとても重要な仕事です。

お客様にせっかく物を売ったりサービスを提供しても、請求を忘れて代金を受け取り損ねては意味がありません。資金繰りも悪化してしまいます。

繰り返しますが、売上代金の請求と、代金の回収、絶対忘れないようにしましょう。

さて、いまの話にちなんで、今日は、売上をどのタイミングで会計ソフトに登録(記帳)するか、お話しします。

今日は、サービス業のなかでも、WEBデザイン業を例にとってみました。

さて、①お客様のホームページの制作を完了する、というのは、具体的には、お客様に制作の完了、すなわち契約どおりに完成したことを認めて頂くことを意味します。
「完了報告書」などの書類に、完了したことの承認としてお客様に押印やサインをしてもらい、売上の証拠書類とします。

次に、②お客様から対価を頂くということについて。ここでは、あえて「現金を受け取る」とは書いていません。お客様との契約によって、対価をいつ受け取れるかは、様々だと思います。

もちろん、お客様が完成を承認すると同時に代金を受け取る契約もあるでしょうし、完成承認後1か月以内に受け取るような、いわゆる掛け売りの契約もあるでしょう。あるいは、代金は前金で、完成前にすでに受け取るような契約もあるでしょう。

重要なのは、対価をいつ受け取るかにかかわらず、売上を売上高として会計ソフトに登録(記帳)する時期は、このWEBデザイン業ような場合は、サービスの提供を完了したと客観的に認められる時です。客観的に認められることが重要であるからこそ「完了報告書」など、お客様がサービスの提供完了を押印やサインにより証明した書類が、必要になるということです。

仕訳で示してみると、

(1)お客様が完成を承認すると同時に代金を受け取る場合
(借方)現金  100,000  (貸方)売上高  100,000

(2)完成承認後1か月以内に受け取るような、いわゆる掛け売りの場合
(借方)売掛金 100,000  (貸方)売上高  100,000

太字にした「売掛金」というのは、あくまで会計帳簿の上での「お客様に代金を請求する権利」にすぎません。売掛金を実際に現金としてお客様から回収するためには、請求書をお客様に発行するなど、お客様に請求するというアクション、しかも請求書のように「証拠として残るアクション」が必要です。

(3)代金は前金で、完成前にすでに受け取る場合
①前金を受け取った時点では、まだお客様にサービスの提供を完了していないので売上にはなりません。
(借方)現金  100,000  (貸方)前受金  100,000
ここで、前受金というのは負債の勘定科目で、お客様にサービスの提供をするという義務を表現するものといえます。

②お客様にサービスの提供を完了した(完了を承認してもらった)とき
(借方)前受金 100,000  (貸方)売上高  100,000

サービスの提供を完了した時点では、現金の動きはありません。前受金という負債が、借方に記録されることによって減少し、①と②をあわせると、借方も貸方も前受金が100,000になるので、差額である前受金の残高はゼロになります。負債が減少、すなわちお客様にサービスの提供をするという義務を果たした(完了した)ことを意味します。

(本投稿の執筆時間 50分)

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