電子申告では「受信通知」がハンコ(税務署の受付印)の役割を担うので、無くさないで。

紙の書類(申告書など)を税務署の窓口に提出すると「受付印」が押される

当事務所の開業届に押された税務署の文書収受印(単に「受付印」「収受印」と呼ぶことも)

平成24年(2012年)に勤めていた税理士法人を辞めて開業したばかりのときは、まだ電子申告をしていなかったので、紙の開業届を税務署に提出していました。

税務署に紙の書類を提出するときには、原本と控え(原本のコピー)を用意し(私は控えのほうにはあらかじめ「控」印を押していた)、両方に税務署の受付印を押してもらっていました。

こうすることで、提出する原本のみならず、控えのほうにも税務署が書類を受理した証拠が「受付印」というかたちで残ります。「受付印」は①税務署が書類を受理したことと、②受理した日付を証明するのです。

例えば、口座の開設や融資などのために銀行などに開業届の控えを提出する際にも「受付印」が入ったものを提出することにより、銀行などからみれば「確かに税務署に提出された」ということが分かります。

電子申告で申告書などを送信すると返ってくる「受信通知」は「受付印」の役割を果たす

電子申告では、紙を提出しないので受付印(ハンコ)が押されることは、もちろんありません。

では、税務署が受理したことをどうやって証明するのか。

電子申告では「メッセージボックス」に送られてくる「受信通知」が、紙を提出した場合における「受付印」の役割を果たします。

e-Taxのサイト右上の「各ソフト・コーナー」をクリックし、表示されるメニューのなかに「メッセージボックス等を確認する」という項目があります。ここでは、そのうち「受付システム」「e-Taxソフト(WEB版)」で、メッセージボックスに送られた「受信通知」(サンプル・個人情報保護のため画像加工あり)をみてみます。

「受信通知」を受付システムのメッセージボックスで見る

「受付システム」でメッセージボックスの中身をみると標題に「メール詳細」と書いてあるので、電子申告が受理されたことは「メール詳細」でわかるから「メール詳細」を見たい、と言われることもありますが、そのときには”?”と思ってとまどいました。「メール詳細」は適切な名称ではありません(メッセージボックスのメッセージひとつひとつの詳細を示しますよ、というタイトルにすぎない)。

正式な呼び方はやはり「受信通知」です。

受信通知に書かれている「提出先」「利用者識別番号」「氏名又は名称」も重要ですが「受付番号」「受付日時」は特に税務署がシステム上電子的に受理した証拠として重視します。

「受信通知」をe-Taxソフト(WEB版)のメッセージボックスで見る

e-Taxソフト(WEB版)のほうは、タイトルが「受信通知」と書いてあります。

受付システムのほうでみたときも冒頭に書いてありましたが「送信されたデータを受け付けました」と明記されています。受付番号と受付日時もきちんと表示されます(ここではマスキングしています)。

ところで、確定申告の時期には「確定申告書等作成コーナー」のサイトで電子申告まで完了することもありますが、送信の直後に「即時通知」が表示されます。この「即時通知」は送信されたデータが審査中であることを示すもので、問題なく(エラーなく)税務署が(システム上電子的に)受理した証拠にはなりません。あくまで「受信通知」が問題なく税務署が受理した証拠となるのです。

「受信通知」はPDFにして保管するか、印刷して紙で保管。

ペーパーレス実務をするならば、PDFにしてストレージに保管します(必要がある場合に印刷して使う)。あるいは紙に印刷して保存する実務の場合は、印刷して保管します。

いずれにしても、「受信通知」は税務署が受理したことを証明する重要なドキュメントです。申告書、申請書、届出書などの提出書類の控えと一緒に保管しましょう。

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