心理相談(カウンセリング)と税務相談の比較。カウンセリングでは初回無料を見かけない。
(臨床心理士をはじめとする)カウンセラーさんのカウンセリングを受けたことがあります。カウンセラーとの相性や、相談者である私の心境の変化もあり、4人のカウンセラーさんにお世話になりましたが、今更ながら気がついたことがあります。
それは、税理士の税務相談においては比較的よく見かける「初回相談無料」ということを、カウンセラーはやらない、ということです。どのカウンセラーも初回から有料です。
もっとも、カウンセリングの初回は、2回目以降とは異なる料金とカウンセリング時間の設定をしているところが多いです。例えば「初回60分10,000円、2回目以降50分9,000円」という設定ですが、時間設定や代金はカウンセラーにより様々です。
時間設定は初回は60分程度、2回目以降は45分~90分のところが多く、また2回目以降は複数の時間設定をしているところもあります(例えば60分10,000円、90分15,000円など)。私が通っていたところのひとつは、相談内容と量に応じて60分か90分かを事前に決めて予約していました。
代金は、50分5,500円のカウンセラーもいれば、60分20,000円というカウンセラーもいます。後者のカウンセラーはアメリカ(カウンセリングという点では日本よりも進んでいる)で開業されている方で、日本に一時帰国されたときにお世話になりましたが、カウンセラーさんの値付けは様々です。
どのカウンセラーさんも、私がどのような点で精神的に参ってしまっているか、真剣に聞いてくださり、助言をして下さいました。カウンセリング料は安くはないと思いますが、お金をドブに捨てるような浪費感は無く、最低限、話を聞いてくださるだけでも、精神的に楽になるので、価値は感じられます。カウンセリング料を(初回だけでも)無料にせよというような、値引き交渉は私には出来ません。
カウンセラーは貴重な時間を割いて、心理学の専門知識と心理相談、心理療法の臨床経験を動員して、話を聞いて、話の内容を噛み砕いて、コメントを返したり解決案を提示するという仕事をするので、これに対する対価を払わないというのは、いかがなものかと思います。
さて、カウンセラーのカウンセリング(心理相談)は健康保険が使えないながらも医療的ですが、相談というカテゴリーには、税理士の税務相談も入ります。税理士は経済社会のドクター。医療とは違いますが、企業の会計、税務、財務や個人の資産の承継に関して問題解決を図るという意味でドクターです。
当事務所(当職)は、単発(スポット)の相談でも初回から有料としていますが、それはカウンセラーと同じで相談に乗ることが仕事だからです。
お客様(クライアント様)の話を聞いて、吟味して、税法の専門知識と税務の実務経験を動員して、税法で求められる手続きを提示したり、税法上問題となる点や解決案をアドバイスします。
例えば、初回30分なり60分は無料という税理士事務所を見かけることがあります。おそらく、2回目以降の相談や申告書など税務書類の作成において、初回相談分のコストを回収できるような料金設定にしていると思われますが、
当職としては、相談が初回であっても、心理カウンセラーと同じように専門知識と実務経験を動員して相談に応じるという点で仕事を提供するので、初回無料にはしないこととします。
また、カウンセラーが値引きに応じないのと同様、相談料の値引きにも応じません。
もっとも、顧問業務に限定すれば、個人事業主の新規開業初年度と、法人の設立初年度に限っては、ビジネスをはじめたばかりで資金状況が厳しいのが通常ですから、応援の意味合いをこめ、2年目以降は値引きをやめることを条件に、若干の値引きに応じるところです。
(本投稿の執筆時間 75分)