経理業務の効率化を図る第一歩としての「ウォークスルー」
業務の現状を知るための「ウォークスルー」
経理業務の改善のためには、その第一歩として現状を十分に把握することが必要です。
現状の業務が、取引の最初から最後までどのように流れているか。
例えば取引開始前のパンフレットや見積書などの情報収集、承認、注文、納品、請求、支払完了、会計ソフトへの登録までの一連の流れにおいて、
- どのような書類を使うか
- どの部門の誰が担当するか
- どのような作業を伴うか(承認印、照合、入力、ファイリングなど)
- 作業におけるIT(コンピュータやパソコン)の利用方法はどうか
を、 具体的かつ詳細に、書類のサンプルを用いて作業の流れを順番に追って、文書化します。この一連の作業を「ウォークスルー」といいます。
業務の現状を具体的かつ詳細に文書化する「ウォークスルー」、会計監査においては、内部統制の整備状況の検討のため、すなわち、企業が決算書を作成するための業務の流れにおける、企業自身の管理体制がどのように設計され、また設計上重要な不備がないかを検討するために実施されます。
もっともこの「ウォークスルー」が活用される場面は、会計監査に限りません。企業自身の業務の現状を把握し、問題点を抽出し、改善をはかるための「ツール」として、ないしコンサルティングの「ツール」として活用されます。
当事務所の経理業務効率化のための提案(コンサル)業務においても、まずウォークスルーを活用します
ウォークスルーは、業務の流れを最初から最後まで、書類と作業を具体的に追いかけながら詳細に文書化していくので、作成に相応の時間がかかるものの、業務の流れ、現状が可視化される、よく見えるようになる、結果として業務を十分に理解できるという大きなメリットがあります。
業務の現状を十分に理解できれば
- 「ここをこう改善すればいいのではないか」
- 「この作業は要らないのではないか」
- 「こういう作業を追加したほうがいいのではないか」
- 「この書類は必要ないのではないか」
など、発想やアイディアが浮かびやすくなります。
経理業務を効率化して、損益情報を早期に知り経営の次の一手に役立てたい、業務にかける時間を削減したいなど(経理の「働き方改革」)のニーズを持っている企業は少なくないと感じます。
当職は、会計監査業務のなかで実践してきたウォークスルーの手法を使って、まずは、クライアント企業様の現状を十分に把握し、お互いに現状の理解をシェアするところから、業務効率化・改善につなげて参りたいと考えています。
(本投稿の執筆時間 55分)