会計につきものの「比較」~前期比較と予算比較

9月も今日を含めてあと4日、夏の余韻もまだ感じられますがもう秋分を過ぎ、今年もあと3か月。

9月決算を迎える会社もあるかと思います。3月決算の会社であれば第2四半期決算(中間決算)、12月決算の会社と個人事業主にとっては第三四半期決算といったところで、年度末まであと1四半期(三か月)、ゴールである12月末がだいぶ見えてきたのではないでしょうか?

あと3か月、いくら売り上げて、いくら利益を出せば、目標を達成できるか、納得のいく業績におさまるか、ラストスパート的な勝負どころともいえるでしょう。

さて、会計とは経営成績である損益と、期末における財政状態(資金の調達と運用のバランス)を示すという大目的があるわけですが、会計をとおして自社の経営状況がどうなったかを把握するために「比較」という行為がついてまわってきます。

ひとつは、「前期比較」です。前事業年度と当事業年度の売上や経費、資産、負債、純資産といった数字の比較をして、前事業年度よりも業績を伸ばしたのかそれとも低迷してしまったのか、財政状態は改善したのか悪化してしまったのか、あたかも健康診断において去年の診断結果と比較して健康状態を把握するかのように、自社の経営状態を把握するわけです。

この、前期比較には、前事業年度と当事業年度という1年単位の比較だけではなく、

  • 前四半期と当四半期の四半期単位での比較
  • 前年同月と当月の1か月単位での比較
  • 当期首から当月末までと、前期首から当月末に対応する前年同月末までの比較

もあります。

前期比較においては、売上、経費の各勘定科目(構成要素ともいえます)ごとに、それぞれ、いくら・何%増えたか、なぜ増えたか、いくら・何%減ったか、なぜ減ったかを分析していくことにより、なぜ自社の状態が現状に至ったのかを把握して、翌月、翌期以降はどのような手をうっていこうかを検討するわけです。

もう一つの比較は「予算比較」です。予算は目標と言い換えてもいいと思います。目標とくらべて実績はどうだったかを分析していくわけです。

目標を立てるには、まず「目標利益」を決めそのうえで、目標利益を達成するのに必要な売上高と経費を決めていくことになります。売上高と経費は、利益の構成要素といえ、目標利益という「出したい結果」から逆算~ブレークダウンして、売上と、経費をきめていきます。経費のなかには、売上にかかわらず一定額が発生する「固定費」と、売上原価のように売上高に比例して発生する「変動費」があります。経費の各勘定科目(構成要素)ごとに固定費なのか変動費なのかを意識して目標額を決めていくことになります。

予算比較も前期比較のように、年度ごとの比較、月ごとの比較、四半期ごとの比較、累計ごとの比較があります。立てた目標を達成したのか、達成幅の大きさはどうだったか、未達だったか、未達幅の大きさはどうだったか、そして、なぜ達成できたのかorできなかったのかを、分析して、その結果を翌月以降、翌期以降の打ち手として反映させていきます。

目標利益は、会社にとっては役員報酬を差し引いたあとの会社に残る金額(配当をしなければまるまる会社に残ることなる)であり、会社の基盤充実ないし会社の存続にとって重要な数字です。個人事業主にとっては、事業主本人に帰属する生活費にまわしうる金額ということになります。

会計を、レシートや領収書を入力して、集計して、利益(所得)を計算して税金を納めれば終わり、というのは実にもったいないです。会計とは経営の道具であって、経営の結果の表現である決算書をつくるものです。比較をとおして、会計を会社やお店の発展に活かしていきましょう。

さて、会計には、比較のほか、さまざまな割合(経営指標)を求めて分析をするという使い方もあります。次回以降、投稿してまいりたいと思います。

(本投稿の執筆時間 50分)

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