勘定科目を集計する

昨日の仕訳例をもう一度記します。

① 資本金(元手)を100万円受け入れた
借方 現金 1,000,000 / 貸方 資本金 1,000,000

② 銀行から運転資金を200万円借入れた
借方 現金 2,000,000 / 貸方 借入金 2,000,000

③ 商品を陳列するための棚を75万円で購入した
借方 器具備品 750,000 / 貸方 現金  750,000

④ 仕入先から商品を150万円仕入れた
借方 仕入 1,500,000 / 貸方 現金  1,500,000

⑤ 得意先に④で仕入れた商品を全て、300万円で販売し、
代金はすぐに現金で受け取った
借方 現金 3,000,000 / 貸方 売上  3,000,000

ここで注目して頂きたいのは、青い太字で表した、現金勘定です。
他の勘定科目は、一回しか登場しませんが、現金勘定だけは、
毎回登場します。

今日は、これをどのように集計して、試算表の数字につなげるか
解説してまいります。

複式簿記では、借方は借方で累計して金額を求めます。
同じように、貸方は貸方で累計して金額を求めます。
そして、借方の累計と貸方の累計の差額を「残高」として
試算表の「残高」欄に載せる流れとなります。

図解すると、次のようになります。丸数字は対応する仕訳の番号です。

ここで肝心なのは、勘定科目の集計をするときは、借方と貸方の相殺はしない、
ということです。借方は借方で累計し、貸方は貸方で累計し、双方の累計の差額
(この例でいうと3,750,000円)である「残高」を求めていく、ということです。

このように、相殺をしないで、累計(累積)していくというのは、複式簿記の
大きな特徴で、記録の内容を確認、検討する際に大いに役立ちます。

また、上図では「残高」の前に「借方」をつけて「借方残高」としていますが、
借方側の累計が貸方側の累計より多くなる場合の残高を「借方残高」といいます。

なお、上図のような、左と右にわけて書くアルファベットのTの字に似た図を
「T勘定」と呼びます。さらに、この勘定科目ごとの集計をした帳簿のことを
「総勘定元帳」と呼びます。

(本投稿の執筆時間 40分)

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