ビジネスのお金の流れを見やすくする。そのために預金口座をあえて2つ持つ。
公認会計士も税理士も、ひとつのものを2つ以上に分けて考えることを得意としています。会計の世界が「借方」(資金の運用状態)と「貸方」(資金の源泉)に必ず分かれるからです。
また、少なくとも2つに分けることによって、見た目にも思考的にも整理されて、理解しやすくなったり、見やすくなったりします。
さて、フリーランスの方や個人事業主の方には、銀行の口座を少なくとも2つに分けて持っている方が多いと思います。仕事のための口座と、生活資金のための口座です。
2つに分けて持つことによって、
- 青色申告決算書につながる仕事のための入出金は仕事用口座で
- 青色申告決算書につながらないプライベートな入出金は生活資金口座で
管理できます。
口座がひとつだけだと、ひとつの口座の中に混在している仕事の入出金とプライベートの入出金を分類・整理するという手間がかかりますが、このように2つに分けていると、分類・整理の手間が減ります。
そして、この「2つに分けること」をもう一歩すすめ、仕事用口座を
- 売上入金用の口座
- 出金用及び売上以外の入金用の口座
の2つに分けることを、管理上おすすめします(当事務所でもそうしています)。
売上入金用の口座(通帳やインターネットバンキングの明細)を見るだけで、売上の状況がひと目でわかります。
出金用及び売上以外の入金用の口座を見ると、経費や設備関係の支出がさっと把握できます。
なお、売上入金用の口座は売上の補助元帳的な役割を、出金用及び売上以外の入金用の口座はおおむね経費の補助元帳的な役割を果たし、管理しやすくなります。
売上入金用の口座からの出金は、出金用及び売上以外の入金用の口座への資金移動のみにする、という工夫をします。ひと手間あるものの、売上入金→資金移動→出金というお金の流れが、見やすくわかりやすくなるので、おすすめです。
こうした「2つに分ける」管理方法だったり考え方は、応用がききます。試行錯誤しながら様々なところでやってみましょう。
(本投稿の執筆時間 40分)