月初に時間をとって月次決算を

月初めの2~3時間は他の予定を入れずに

会計ソフトへの入力(インターネットバンキングの入出金データや、クレジットカード決済データの会計ソフトへの連携(同期)も)は、毎朝やっていますが、月初(極力、毎月1日)には、2~3時間まとめて確保し、前月の入力のチェックと、集計された数字(売上高、経費、利益、資産、負債、純資産の金額)のレビューをしています。具体的には次のようなことです(クラウド会計ソフトの利用を前提にしています)。

  • 同期したデータ(インターネットバンキングデータ、クレジットカード決済データ、suica利用履歴のデータ、Amazonの購入データ)で、会計ソフトに登録していないものがあれば登録する(同期、すなわち会計ソフトにデータを引き込んだだけでは登録されない設定にしているため。同期したデータからクラウド会計ソフトで推測される登録内容(仕訳内容)を目で確認して「登録ボタンをクリック」して登録している)。
  • 同期されない取引(現金で買ったモノやサービス=経費となるものが主)について、会計ソフトに入力されていない取引があれば、請求書や領収書に基づいて入力する
  • 会計ソフトへの入力がひととおり終わったら、会計ソフトの試算表の「貸借対照表」の前月末残高が、同期元のネットバンキング預金残高、クレジットカードの決済残高(引き落とし予定額)、suicaの未使用残高、借入金の月末残高(これは返済予定表を見る)などの「残高を客観的に証明する資料」と合致していることを確かめる。合致していなければ、入力のどこかにもれやダブリがあることが考えられる。
  • 会計ソフトの仕訳帳(及び総勘定元帳)をレビューする。一覧して何か異常な入力がないかどうか確かめ、さらに、仕訳帳と、取引の証拠資料(領収書や請求書、契約書など)を照合して、相互に対応していること、間違いが無いことを確かめる。
  • 会計ソフトの月次推移表をレビューする。一覧して、急増していたり急減していたり突然ゼロになっていたりなど、異常な推移が無いか、もしあれば、誤りではないかどうかを確かめる。さらに、前年同月と比較して、やはり急増、急減が無いかどうか、あれば誤りではないかどうか確かめる。
  • 会計ソフトの試算表をレビューする。一覧して、数字が急激に増えていたり減っていたりしていないか、あるいは有るべき数字とものすごくかけ離れていないかどうか、誤りが無いかどうかを確認する。

上記のように毎月のはじめに「月次決算」するメリット

  • 毎月はじめという一定の時期に作業をするので、リズム感が生じ、慣れで出来るようになる。習慣化しやすい。
  • 前月までの売上高、経費、利益、資産、負債、純資産を把握できることで、自己(自社)のビジネスの好不調の理解が深まりやすくなる(ヒトでいえば、決まった時期に身長、体重、血圧、脈拍、体温を測ることで健康状態を把握するようなもの)。
  • 毎月のはじめまでには、前月までの取引の会計ソフトへの入力を終了することで、本決算や確定申告の作業の負荷を月次に分散でき、また負荷を軽減できる
  • 負荷を分散、軽減できることで、チェックのための注意力がより働くようになり、ミスの可能性を軽減できる
  • 負荷を分散、軽減できることで、スピードも向上し、本決算や確定申告を早めに完了できる

デメリットとしては、毎月はじめに時間を確保するのが難しい、毎月するのは面倒、といったことがあるかも知れませんが、毎月はじめに時間を確保できるよう、仕事の進め方やスケジュール設定を(段階的にでも)変えていけば良いですし、面倒に感じるというのも、避けられない面倒であるならば、より面倒くさくはないやり方をとる(効率的な方法を考えてやってみる。作業を毎月に分散させるというのも、面倒を分散させるという点では優れていると考えられます)ことで、あとは慣れの問題です。

チェック能力とスピードの向上、少なくとも月に1回はビジネスの数字、業績を振り返ることができることは、月次決算のとても大きなメリット。やってみることをおすすめします。

具体的に月次決算のタスク、事務をどのようにすすめたらいいかについては、当事務所のスポット相談業務または顧問契約に基づくアドバイスをご活用頂ければ、貴社、貴店にあわせた具体的な方法を考えて提案させて頂きます。

(本投稿の執筆時間 90分)

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