将来、融資を受けようと考えている企業は今のうちに事業計画書をつくってみませんか
今なら、事業計画書作成のコンサルティング料の負担が3分の1で済む(コンサル料総額30万円までの場合)
事業計画書作成コンサルティング料の3分の2(上限20万円)が、全国各地にある経営改善支援センターの負担となる中小企業庁の施策があります(詳しくはこちら)。これを受けるためには、
- コンサルタントが「経営革新等認定支援機関」(「認定支援機関」という)であること(当事務所も認定支援機関です)
- (融資を受けようとしているメインの)金融機関に事前に相談すること
- 認定支援機関と連名で経営改善支援センターに利用を申請すること
- 認定支援機関と事業計画書作成のためのコンサルティング契約を別途締結すること
- 作成した事業計画を金融機関に提出すること
が、必要となってきます。
コンサルティング料の3分の2を、経営改善支援センターの(公的)資金で負担してもらえるだけあって、上記のような手続きの手間はありますが、少ない自己負担で、事業計画書のイロハを認定支援機関のアドバイスを受けながら習得できるといえ、お得な制度といえます。
特に、現に無借金経営(融資を受けた経験がない)ながらも、将来、店舗や工房・工場の増設などの設備投資のために、融資を受けようと検討している企業にとっては、金融機関に合理性をもって説明できる事業計画書の作成を早めの段階から着手できるという点で、メリットがあるといえます。
以下、作成することとなる事業計画書の内容について、簡単に触れます。
ビジネスモデル俯瞰図
これは、ひとことでいえば自社を取り巻く内部経営環境と外部経営環境を図表にまとめたものです(ぱっと見で分かるようA4・1枚のことが多い)。
内部経営環境とは、組織や部門や店舗の概要、従業員数、特徴、抱える問題点(弱み)。
外部経営環境とは、主に仕入先(仕入先ごとの金額や割合)や得意先(顧客属性、得意先別年商や売上割合)との関係性(商流)です(景気の動向や業界の状況も理解している範囲で書いた方が良いです)。
資金繰り表(実績と計画)
現金及び預金の収入と支出、現金及び預金の残高、借入金があれば借入金の残高を、月ごとに、過去2年分程度と、当期の分を一覧表にしたものです。
また、当期の資金繰り表作成時点以降の最低半年程度は、今後の見通し(計画)として記載します。
これを見て、資金繰りが順調だったか、今後も順調に推移しそうかを判断することとなります。
損益計画
直近期(前期であることがほとんど)実績と当期計画値(計画0年目)、翌期計画値(計画1年目)、翌々期計画値(計画2年目)の損益計算書の数値を並べて一覧表にしたものです。事業年度ごとの推移をみることができます。計画値をどのように実現するかは、次の「アクションプラン」で説明することとなります。
アクションプラン
損益計画に示された将来の計画値を実現するための、具体的行動計画のことです。
資金繰りの実績と直近(当期の現時点)までの損益の実績に基づいて、主な経営課題(解決すべき、ないし達成したい経営課題)を列挙し明文化します。
その明文化された経営課題に対応するかたちで、具体的行動計画(内容、実施時期、担当者、計画0期目以降の損益数値に与える影響額や増減率)を明記していきます。
まとめ
ビジネスモデル俯瞰図、資金繰り表(実績と計画)、損益計画、アクションプランのそれぞれが、頭の中にある経営者は多いと思います。
しかし、文書化することによって、解決すべき課題や達成したい目標、目指すべき方向性が明らかになり、目標達成へのモチベーションが強化され、もって成り行き任せから脱却し経営力が強化されるといえます。
今話題になっている「見える化」「可視化」は、行動や思考において、SNSで言葉や写真、動画として発出されることで実現されているところですが、経営についても、頭の中にしまっておくだけではなく、事業計画書として「見える化」「可視化」すると、より良い経営を実現できるといえます。
コンサルティング料の負担が軽くなる今のうちに、認定支援機関のアドバイスによって事業計画書の作成を習得してみてはいかがでしょうか。
※本投稿は、投稿日現在の法令、制度等に基づいて記載しております。
(本投稿の執筆時間 70分)