情報発信のマトリックスを意識しよう
はじめに
個人でも法人でも、誰もがインターネット上で自由に情報を発信できる時代となって久しいですが、ホームページ、ブログ、各種のSNS(Twitter、Facebook、Instagramなど)といった発信手段を、発信の目的に応じて使い分けている方も増えていると思います。
今回の投稿では、発信手段と発信者ごとにマトリックスを作成した上で、いまいちど、それぞれの特性や効果などについて解説してまいります。この「情報発信のマトリックス」を改めて意識し、効果的な情報発信に役立てることができればと思います。
マトリックス① 自分でブログをアップ
マトリックスのピンクで塗った部分です。ブログは、情報が蓄積されるという性質を持っており、書き溜めることに意味があるとも言われます。情報の蓄積により、googleのような検索エンジンによって検索されやすくなるためです。
自分が、自分のポリシーに基づいて発信したいと思う情報は、ブログとして書き溜めていけば、検索者がそれを目にし、自分のポリシーを読んでくれるようになるといえます。
もっとも、検索されやすくなるには、投稿を続けることによる情報の蓄積を継続する必要があり、時間がかかるといえます。すぐに他人に見てもらえるという「拡散力」の観点からはSNSの方が優れているといえます。
マトリックス② 自分でSNSにアップ
マトリックスのオレンジで塗った部分です。SNSは情報が拡散されるという性質を持っています。リツイート、シェアといった形です。Facebookでは「いいね!」の数が増えると、Facebookユーザーの間では目につきやすくなるという効果もありますね。
自分が広めたいと思ったその時の「旬の」情報を発信するのに適しているといえます。一方、時間の経過とともに、発信した情報が埋もれてしまい、目につきにくくなるという特性もあります。
例えば私のように、この人のこと、このお店のことを深く知ろうと思ったときに、そのFacebookページを読みに行って、下にスクロールしていけば、過去にアップされた情報を読むこともできます。もっとも、スクロールし続けるのは面倒な操作ともいえ、限界も感じます。
蓄積という点からすれば、検索が可能なブログのほうが優れているといえます。
マトリックス③ 他人がSNSにアップしてくれる
マトリックスの黄色で塗った部分です。他人がSNSにアップしてくれることにより、情報の発信効果が期待できるという側面はあります。
たとえばハッシュタグ(#)を付けることにより、検索する人がハッシュタグをつけてSNS内を検索すると、ハッシュタグに関連付けられた発信者(自分)の情報が表示されます。
このハッシュタグをつけて拡散される効果で、自分のことが注目されたり、自分の店の来客数が増えるという側面は確かにあり、最近では、SNSで拡散してくれる人が多いからわざわざ自分で情報を発信しないでも大丈夫というお店も少なからずあります。
確かに、人間は自分が良いと思うものは他人に勧めたくなるものなので、他人による自分の宣伝効果はあるといえます。しかしながら、他人による発信であるため、自分が発信したいと思うことが、自分が発信してほしいと思う時期に、発信されるとは限りません。他人に発信を強制することもできません。
Instagramのように、写真で感覚的に注目(「いいね!」)を集めるものでも、自分で撮影した写真と、投稿する他人が撮影した写真とは、視点が異なるものといえます。さらにいえば、他人が発信するのはその他人自身が注目を集めたいという動機に基づく部分が大きいものといえ、自分のことを重点的に考えて発信するとはいえない、ということです。
ポリシーでも特長でもかっこよさでも、自分として発信したいのであれば、他人に依存することなく、自分で発信をしたほうが良いと考えられます。自分のことを最も重点的に考えられるのは自分といえます。
マトリックス④ 他人がブログに書いてくれる
マトリックスの黄緑色で塗った部分です。前述のとおり、人間は自分が良いと思ったものは他人に勧めたくなります。気に入った者とか紹介したい人とかを、他人が(自身の)ブログで紹介することもよくあります。
しかしながら、即興演奏的にタイムリーに発信できるSNSと異なり、ブログはアップするのに時間と手間を要します。ブログでアップしてもらえるということは、よほど気に入った、よほど紹介したいと思った時なのでしょう。
ないしは、ブログを習慣にしていて、一日の行動を書く一環としてなのでしょう。
他人に書くよう強制できないのは、SNSでもブログでも一緒であり、他人任せの手段ということになってしまいます。
おわりに
「ネット上に情報を発信していなければ、この世に存在しないも同じ」という人もいるくらい、ネット上で情報を発信することが当たり前の時代。
自分の情報の発信を、自分でコントロールし、自分の思うように発信するか、あるいは、他人が発信してくれるままに任せるか、考え方はそれぞれでしょう。
ビジネス目的にせよ、そうでない目的にせよ、マトリックスの①②③④の全てがあいまって、個人でも法人でも注目を集められるといえますが、③④のように他人が発信するままに任せてしまうと、自分の意図した結果(情報発信の効果)になるとは限らないでしょう。
他人が知る自分が100%の自分ではなく、自分が知る自分も、自分を構成しています。
マトリックスの①②を意識して、自分の情報は自分でコントロールして発信することも重要であり、そうすることで、自分の求める結果(情報発信の効果)を得やすくなると言えるのではないでしょうか。
(本投稿の執筆時間 75分)