値付けは自分のマーケット感覚で、強気なほうがいい

値付け(いくらで販売するか)は、悩みどころの一つだと思います。私も、報酬(の単価)を決めるにあたって、独立当初は安すぎる価格を設定してしまったこともありましたが、いまから振り返れば、もう少し強気の設定をしたほうが良かったと思うところなので、会計事務所に限らずこれから商売を始める方には、強気の値付けをしたほうがかえって良いと思い、投稿します。

売上高=単価×数量

言われるまでもない、と仰る方もいると思いますが、売上高は単価と数量の積で決まります。

  • 製品商品サービス別に、単価×数量
  • 来客数をベースに、客単価×来客数

というように、売上高は2つの要素で構成されるわけです。

粗利(利益)の低い商品製品やサービスほど、単価を上げられないか検討する

さて、現在販売している商品・製品・サービスのうち、粗利(利幅)の小さいものはたくさん売って(量をこなして)、粗利(利幅)の大きいものはそれなりの数量を販売すれば良い、というようにとらえる向きもあるようですが、このとらえ方は、粗利(利幅)が所与(変えられない)で、数量だけが営業努力によりコントロール可能なことを前提としていると思われ、十分ではありません。

確かに、販売数量を営業努力によって伸ばすことは重要ですが、可能な努力の量(かける時間、人員)には限界があり、生産性も決して良いとはいえません。

そこで、いかに粗利を上げるか→粗利を上げるために単価を上げるかを、検討する必要があるわけです。

単価を上げられれば、同じ販売努力(販売数量を増やす努力)で同じ量だけ販売できた場合、より多くの単価を乗じられる分売上高が多くなり、単価を上げない場合に比べて効率的に売上高を増やせます。

粗利が低い商品・製品・サービスほど、単価を上げる方向で見直す余地が大きいといえます。

自分のマーケット感覚を養い、それを信じて単価を決める

それでは、単価は、どこまで上げられるでしょうか。単価は、お客様(=不特定多数の潜在顧客を含める。マーケット(市場)と言っていい)が容認して下さる最も高い金額で決める必要があります。

お客様が容認して下さる最も高い金額、これを知るためには、値付けをしようとしているものと類似のものを同業他社(他の店)がいくらで販売しているか、そして、値付けをしようとしているものがどの程度独自のものか研究し、自分なりのマーケット感覚をつくりあげて値段を決めていきます

値付けをしようとしているものと類似のものは、価格競争に陥りがちで、つい安くしてしまいますが、仮に安くするとしても、安いなかでも最も高い金額にします。

そしてここが肝心なところですが、値付けをしようとしているものがいかに独自のものか、これを知れば、同業他社(他の店)より高くても、単に高安を理由とせず独自性を理由として、お客様は買って下さいます。

たとえば、パン屋さんであれば、食パン(パン・ド・ミ)はほとんどのパン屋さんで販売しています。しかしながら、どのパン屋さんの食パンも同じかと言われたら、そうではありません。(大手パンメーカーの食パンは類似しているとしても)街の個人の(小規模会社の)パン屋さんのパンは、お店ごとに違いがあります。違いは強みです。その違いを明瞭に意識して、違いの部分はあるていど高い値段をつけても良いのです。

違いを好きになるお客さんというのはかならず居て、その違いを好きになるからこそ、高い値段でも満足して購入して下さいます。

それでは、類似のものを幾らで売るか決めるには、また、違いを明瞭に意識して違いを理由に値増しするにはどうするか、さまざまな同業他社(お店)を実際に行ってみたり、ネットで調べたりして、どんどん知って、自分なりのマーケット感覚を作り上げることが重要です。

まとめ

売上高の構成要素である単価、特に粗利の低い売りものの単価をいかに上げるか。それには、同業他社(他の店)の値付けや、商品を、あれこれとたくさん知ることによって、自分なりのマーケット感覚を作りこんでその感覚で、お客様が容認するであろう最も高い金額で値付けします。

注:「マーケット感覚」については、ちきりん「マーケット感覚を身につけよう」ダイヤモンド社を参考にしました。マーケット感覚をどう身につけるか詳しくお知りになりたい方はお手にとってみると良いと思います。

(本投稿の執筆時間 55分)

 

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