税引後利益+減価償却費の範囲で返済してますか?
資金繰りが行き詰まると、企業はつぶれます。
借入金の返済が滞ると、銀行(や信用金庫)が交渉に応じてくれれば、リスケジュール(返済条件の変更)も可能でしょうが、結論がNOならば、企業はつぶれます。
借入金の返済が滞るのは、返済原資である現金が無くなっているからですが、その返済原資である現金の源は、税引後利益と減価償却費です。
税引後利益は、現金そのものではありませんが、売上高など収益から、売上原価や販管費、税金などの費用を差し引いた後の残りです。
この税引後利益に、減価償却費を加算するのは、減価償却費が現金の支出を伴わない費用だからです。費用としては差し引かれるも、減価償却費と同額の、売上高に裏付けられた現金は手元に残る、ということです。
そこで、税引後利益と減価償却費の合計が、返済原資である現金を構成するといえるのです。
これを月次で、税引後利益と減価償却費の合計と、借入金の返済額を比較してみます。
税引後利益+減価償却費>借入金の返済額
であれば、借入金の返済に苦は感じないでしょう。税引後利益+減価償却費の方がより大きくなれば、企業に現金が貯まってきます。
これとは逆に、
税引後利益+減価償却費 ≦ 借入金の返済額
であれば、借入金の返済に苦を感じていることでしょう。返済原資となる現金が、どんどん少なくなってきて、資金繰りが苦しくなってきます。
毎月、月次で、両者の大小を比較してみて、税引後利益+減価償却費の方が返済額より小さい状況が数ヶ月続く状況ならば、
- 資産構成を再検討し、有休資産を売却するなどして現金化する
- 費用の削減により、支出を減らす
- 売上代金の回収を早める
- 売上代金の回収が早くなることと売上の増大を両立させる
- 融資を受けている金融機関に(早めに)相談する
など、対策を立てて実行する必要があります。
毎月の返済は、税引後利益+減価償却費の範囲内で。そうすることで、資金繰りに頭を悩ますことが減ってきます。
(本投稿の執筆時間 30分)
〈一日一新 Today’s New Things〉
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