勘定科目の「ホームポジション」 ~ 反対側の残高に違和感を持つ
今回は、勘定科目の「ホームポジション」についてお話しします。
仕訳を日々記録していくことによって、勘定科目ごとに、借方、貸方それぞれ金額が累計されていき、試算表において借方の合計と貸方の合計の差額が表示されることになります。
ここで、今まで何回かみてきた試算表のイメージを思い出すと、試算表の左側(借方)には資産と費用が、右側には負債、純資産と収益が配置されています。また、左側(借方)は資金の運用形態を意味し、右側(貸方)は資金の調達源泉(調達元)を意味することも、思い起こしながら、次の図をみていきましょう。
図の左側にある資産と費用は、資金の運用形態を意味するところ、借方と貸方の差額は、借方の方が大きくなります。
資産と費用の「ホームポジション」(所定の位置。図では(ホーム)と書いています)は借方になります。
一方、図の右側にある負債、純資産、収益は、資金の調達源泉を意味するところ、借方と貸方の差額は、貸方の方が大きくなります。
負債、純資産と収益の「ホームポジション」は貸方になります。
これをふまえて、記帳をする上で留意すべきは、残高が反対側に生じてしまった場合、
つまり、資産と費用については、借方と貸方の差額が、貸方が大きくなってしまった場合、
また負債、純資産、収益については、借方と貸方の差額が、借方が大きくなってしまった場合、
仕訳のどれかに誤り(おかしな仕訳)があることを意味します。
反対側の残高(マイナス残高とも言われます)が生じたら、どこかにミスがあるのではないかという「違和感」を持つ。
記帳のしくみ、企業の数字を理解するための重要なポイントといえます。
(本投稿の執筆時間 70分)