やはり少しは専門用語を覚えましょう~借方と貸方

公認会計士や税理士が扱う会計・税務の実務では、専門用語が飛び交います。
お客様には、専門用語はなるべく使わず、簡単な言葉に言い直して(翻訳して)さまざまな説明をしています。

(お客様にわかりやすく説明するどうかは、良い会計事務所の選択のポイントでもあり、専門用語のやはり多い医師や弁護士の選択のポイントでもあると思います)

それでも、頻繁に登場する専門用語は、専門用語のままお話しすることが、やはりあります。その方が早いからというのも理由ですが、何度も耳にするうちに自然と覚えてしまうというのも理由です。

そうした、最低限の専門用語に分類されるものとして、

「借方」「貸方」

という言葉があります。

簿記では、左側を「借方」といい、右側を「貸方」といいます。

昨日の花屋さんの花束の売上の仕訳を例にとると次のようになります。

借方:現金 5,000円 / 貸方:売上 5,000円

なぜ左側が「借方」になり、右側が「貸方」になるのか、根拠や由来は正直、分かりません。

しかし、簿記の専門学校などでは、以下のように覚えるように言われた方もいるのではないでしょうか。

「借方」の「借」をひらがなで書くと、「り」の字の右の線が左に伸びている
だから、借方は左

「貸方」の「貸」をひらがなで書くと、「し」の字が右側に伸びようとしている
だから、貸方は右、というように。

どちらが左でどちらが右かという話はここで終え、「借方」「貸方」という言葉には意味があります。

まず「貸方」は「資金の貸し手」を意味します。貸し手=貸し方、資金の提供者・提供元を意味します。

次に「借方」は「資金の借り手」である自社(自身)を意味します。”資金を借りた⇒提供を受けた”者が、その提供を受けた資金をどのように運用したり投資したりしているかをあらわします。

専門的な言い方をすると、貸方は資金の調達源泉、借方は資金の運用形態をあらわします。

資金を借りる・提供を受ける自社(自身)が左に居て、資金を貸してくれる・提供してくれる他者が右にいる、とイメージしながら、「借方」「貸方」という言葉を覚えるといいでしょう。

(本日の執筆時間 45分)

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