紙の税務六法はもう要らない。法律も通達も判例や裁決事例もネット上で検索できる。
目次
はじめに
2018年4月に投稿した「日本標準産業分類、ネットで簡単に検索できます。」が最近よく読まれています。
役所や官庁に提出するために用意すべき情報を、ネットで簡単にかつスピーディーに入手したい、というニーズの高まりがあってこそだと感じます。
さて、今でも税務関連書籍の出版社から、税法六法とか税務六法といったいわゆる税務の法規集(紙の本)のダイレクトメールが来ますが、もはや購入することはありません(5年くらい前までは購入していましたが)。
法律も通達もネットで検索しているためです。おかげで、書棚のスペースがだいぶ空けられました。
法令(法律や政令、省令)は、e-Gov法令検索で
e-Gov法令検索は重宝しています。法人税法でも所得税法でも相続税法でも民法でも、紙の法規集をめくって目的の条文を探すよりも、ブラウザ上でCtrl+Fで検索ボックスを呼び出して調べたい単語を検索したほうが、目的の条文に早くたどり着けます。
通達は国税庁ホームページで
国税庁ホームページの「法令解釈通達」もとても重宝しています。
紙の通達集は従来からあり、その中には(ホームページには記載されていない)通達が制定された論拠や背景を詳細に記載しているものもありますが、そこまで深く調べる必要が生じた場合には、次に触れるデータベース「TAINS」か、図書館に行って紙の通達集を閲覧します。
税法データベースTAINS(税理士用)
TAINSとは「Tax Accountant Information Network System」の頭文字をとったもので「タインズ」と読みます。
税理士用の有料(個人開業の税理士は税込2,018円/月)データベースで、IDとパスワードの入力でログインして使用します。判例、国税不服審判所の裁決事例、税務相談事例、情報公開された税務行政文書などを検索できます(詳細→TAINSホームページ)
実務で直面する具体的な事例について、税務上の判断(課税されるかどうか、経費になるかどうか、耐用年数は何年になるかなどの判断)をするのに、既存の知識や法令・通達の一読だけでは判断できないような場合に、TAINSを検索して類似の事例を調べて、判断の根拠とします。
おわりに〜今後は専門書も電子書籍での発売が進むことを期待
法令、通達、判例、裁決事例、公開税務行政文書は電子化が進みましたが、制度や実務の解説書はまだまだ紙の本が多いです(当事務所では過去に入手した書籍や研修資料の電子化(PDF化)を進めていますが、紙の本をばらしてスキャンするのは、それなりに手間と時間がかかるので、完全な電子化にはまだ遠いです)。
今後発売される専門書は、電子書籍で購入してiPadやiPhoneで読みたいと考えています。2020年の現在でも紙媒体だけで発行される専門書は少なくないと感じますが、電子書籍での発売も進められることを期待します。
事務所のスペースは主に机と椅子と書棚が占めていますが、書棚が占める割合は大体半分くらい。
もし、書籍を完全に電子化して書棚を無くせたとしたら、コワーキングスペースの個別のブース(守秘義務の観点から、個別ブースは重要)を一つ借りるだけでも済み、スペースと賃料を大幅に減らせ、減らした分の賃料相当額を他の自己投資や業務の開発に自由に充てられるというものです。