当会計事務所の契約書を見直しています

会計事務所と契約書を交わしていますか?

読者の中には、すでに会計事務所(会計士又は税理士)と契約書を交わしている方もいらっしゃると思われますが、クライアント(企業や個人)と会計事務所の間で契約書を交わさないケースも散見されるようです。

当事務所では、原則として全ての業務(詳細下記)で契約書を交わします。その理由は以下のとおりです。

  • 受任する業務の範囲を明確にする
  • 契約の期間を明確にする
  • 業務に対応した報酬の金額、報酬の支払期限及び支払方法を明確にする
  • 業務にあたっての、会計事務所及びクライアント双方の義務を明確にする
  • 業務上の責任の所在、損害賠償の限度額を明確にする
  • 反社会的勢力を排除する
  • 守秘義務を明確にする
  • 契約を解除できる場合を明らかにする
  • これらを明記ことによって、不明確な部分の減少によって不安を減らすとともに、トラブルを未然に防止し、以て円滑な業務の遂行を図る

契約書の作成目的は、不明確な部分を減らし、業務内容や報酬の額、責任の所在を明確にし、クライアント及び会計事務所の双方が安心して契約関係に入ることにあります。

もし、現に会計事務所に仕事を依頼されている方のなかに、契約書の締結を済ませていない方がいらっしゃれば、会計事務所に依頼して契約書を交わすよう、おすすめいたします。契約書を交わすことは信頼関係の基礎になります。

当事務所の契約書の見直しについて

原則として全ての業務について契約書を締結

さて、これまで当事務所では、特段、契約書を交わす必要のある業務について指定せず、相対的に業務量が多い資産税(相続税、贈与税、譲渡所得税)の業務や企業との顧問契約について契約書を交わすようにしてまいりましたが、今後は、所得税の確定申告書の作成業務を含む、原則として全ての業務について、契約書を交わすことといたします。

契約書を交わすことによる、不確定要素の削減は、どのような業務にも当てはまることであり、契約書の締結により、お客様に少しでも安心して業務を依頼して頂きたいと考えるためです。

なお「原則として全て」と書きましたが、容易な(1営業日以内で回答できる程度の容易さを基準とする)単発の税務相談・会計処理の相談については、契約書を交わさない場合があります(交わす場合もあります)。これは、契約事務処理の効率を考慮してのことです。

クラウドサインによる契約書作成(契約書の電子化・クラウド化)

また、これまでは紙面による契約書の締結を主にしてまいりましたが、昨今の情報技術、クラウド化の目覚ましい進歩と普及に鑑み、当会計事務所としましても事務処理効率のアップによる生産性向上を図りたく、今後はクラウドサインを用いたクラウド上での契約締結のみとし、紙面の契約書の締結をとりやめます。

契約書の骨子(8月中に、ひな形の見直しが終了次第、公開いたします)

現在、見直しをすすめている契約書の骨子を以下に記します。

  • 委任業務の範囲
  • 電子申告の委任について
  • 契約期間
  • 報酬の額、支払時期及び支払方法
  • 経費の負担について
  • 守秘義務及び特定個人情報等の取扱い
  • 会計事務所の説明責任と免責
  • 依頼者(クライアント)の資料等提供義務と免責
  • 会計事務所との連絡に当たるクライアントの役職員
  • 資料等の帰属について
  • 会計事務所の責任上限額及び過失相殺
  • 反社会的勢力の排除
  • 契約の解除・終了
  • 契約の変更
  • 裁判の管轄
  • その他(定めの無い事項についての協議による解決)

(本投稿の執筆時間 70分)

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