左右のバランスを常に意識~そうすれば事業再生・事業承継も早めに手を打てる
11月2日(木)は、川崎商工会議所のセミナー「士業が語るおもしろ事業承継塾」を受けました。
事業再生・事業承継に強い不動産鑑定士の方の事例を興味深く拝聴しました。
借入金の担保に入れている不動産に着目します。
そもそも、借入は、元利の返済可能性と紐づいています。例えば、担保は典型的ですし、無担保であるならば合理性と高い実現可能性をもった今後の事業計画が該当します。
つまり、バランスシートそのものには乗っからない(担保に出している資産は決算書に注記されますが)ものの、元利の返済可能性が資産の側に存在して、それと紐づくものとして負債としての借入金があるわけです。見合いの「資産」が無い状態では、元利の回収可能性が読めないので、金融機関としては融資をできないはずです。
話をセミナーに戻すと、借入金の担保に入れている不動産は、収益性のある優良な不動産であるということです(100%そうとは言い切れないと思いますが、しかしながら融資先の事業から返済ができなければ、元利を回収するために必要十分な資金は担保に入れた不動産の売却で賄いますから、元利を回収するのに十分な価値があるはずです)。
不動産の収益性に着目し、その担保不動産を賃貸物件に変えます。貸ビルや賃貸マンションの建設です。その賃料収入から減価償却費や修繕費、固定資産税など賃貸物件コストを差し引いた賃貸物件の利益を、借入金の元利の返済に充てます。
講師の不動産鑑定士の方が「担保不動産は売るな」とおっしゃっていたのが印象的でした。
売却してしまえば、もはや不動産を活用することはできません。売却はあくまで最後の手段だと思われます。
担保に出している不動産を賃貸物件にするといくらの利益が得られるのか、どのような物件であれば利益を得られるかを慎重に検討して、元利を返済できるのに十分な利益を得られる「賃貸事業計画」を立案できれば、売却せず、不動産を有効活用できるわけです。
不動産の専門家ではない私としては、借入に「資産」(バランスシートに載っている資産のみならず合理的で実現可能性の高い事業計画も含む)が見合っているかを、常に意識することによって、事業再生・事業承継に早めに手を打てるものと思いました。
くりかえしますが、社長と事業主の皆様には、貸借対照表、特に借入と資産のバランスを常に意識することを強くおすすめいたします。
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(本投稿の執筆時間 40分)