がん保険は必要?と思ったら、まず高額療養費制度を知ろう!
目次
ひと月の自己負担の上限額を把握しておく
がん保険に入るかどうかは、それぞれの個人の置かれた状況や健康状態によりますし、入るのは個人の自由です。
しかしながら、健康保険(ここでは国民健康保険を含む)を意識せずにいきなりがん保険に入ると、がん保険の保険料を払い過ぎかねません。
健康保険による医療費の自己負担額には、上限が設定されています。高額療養費制度です。
高額療養費制度における、ひと月の自己負担の上限額(69歳以下かつ3割負担を前提に)
年収の額に応じた適用区分ごとに、ひと月の自己負担の上限額(世帯ごと)が設定されます。
適用区分ア、イ、ウについては、自己負担額の基本上限額が設定され、自己負担額がこれを超えると、超えた部分の1/30が基本上限額に加算されて上限額が決まります。
適用区分エ、オについては、自己負担額の上限額は上表の通り、一定です。
なお、69歳以下の場合、レセプト(病院や薬局が作成した医療保険への請求書)1枚あたりの1か月の自己負担額が21,000円以上であることが必要となります。
(さらに自己負担額を軽減するしくみもありますが、本投稿では省略します。)
例えば、年収が600万円の場合、適用区分ウにより、自己負担額の基本上限額は80,100円となります。
その上で、自己負担割合(3割とします)を考慮する前の医療費がひと月で50万円となった場合、自己負担額の上限額は80,100+(500,000-267,000)×1%=82,430円となります。
がん保険に入る前には、ぜひ、高額療養費制度による自己負担の上限額を知っておき、自己負担額以内の支出をカバーする保障内容を選ぶようにしましょう。
(貯蓄の額にもよりますが、自己負担額を、貯蓄とがん保険その他医療保険との両方でカバーすることも想定できます)
なお、健康保険でカバーされず全額が自己負担(自費)となる先進医療の費用をカバーするためにがん保険に入っておくという選択は、ありです(そのような先進医療を保障しているか、がん保険のパンフレット、契約時のしおり、約款で確認しましょう)。
(他にも、差額ベッド代など全額自己負担になる医療費ではない入院関連費用も考えられますが、本投稿では省略します)
入院前には、加入している健康保険から「限度額適用認定証」の交付を受けておく
入院前に、加入している健康保険から「限度額適用認定証」の交付を受けましょう。
入院時にこれを病院の窓口に提示すると、退院時の精算の際、(高額療養費制度による)自己負担額の上限額のみの支払いで済みます。
入院時にこれを提示しないと、高額療養費制度によらない(単なる)3割負担(3割に該当する者の場合)の負担額全額を一旦病院に支払い、自己負担額の上限額との差額を後日返金してもらうこととなってしまい、手間がかかります。
おわりに〜がんにならないのが一番いい!
私はがん保険には入っていません。代わりに、シンプルな医療保険に入っています。
入院保険金が1日につき初日から5,000円(1回の入院180日限度)、手術保険金が20万円、10万円、2.5万円給付されるものです。
30日入院したとして、入院保険金だけでも150,000円になります。医療保険の保険金でカバーしきれない部分は貯蓄を充てることを想定しています。
また、楽観的に、がんになる可能性は高くはないと思っていて、先進医療の費用を保障するようながん保険の必要性を感じてなく、執筆日現在においては、がん保険までは要らないと思い、医療保険だけにしています。
保険でいざというときに備えるのは重要ですが、とはいえ、それ以上に重要なのは「がんにならないこと」です。
がんに限らず、病気にならず、健康でいることが最重要です。
保険料は大事な支出項目なだけに、払い過ぎないようにすることは重要です。
保険料以上に大事な支出項目〜例えば日々の食事や睡眠や運動など健康を維持・向上するための支出〜に「投資」するようにしましょう。
疲れる前に休むこと、ストレスフリーになること、残業をしないことも、健康のためには重要です。
健康になるための時間も確保しましょう。