前年同日とも比較してみる〜比較は会計を活用する第一歩
会計ソフトに入力して集計された結果の「会計数値」は経営のために活用されますが、その最も典型的な活用が「比較」です。
例えば前期比、前年同月比、前四半期比、前月比、目標比、予算比などなど、新聞などマスメディアの報道でもよく見かけますね。
以前の数値との比較は、業績が伸びたのか、悪化したのか、それはどの程度のものかを把握でき、
目標や予算との比較は、達成したのか、達成できなかったのか、それはどの程度だったのかを把握できます。
比較は、単に数値を比較対象と並べて、差を見るだけでは十分ではなく、どうして差が生じたのか、原因を調べて明らかにし将来に向けての打ち手や改善につなげてこそ意味があります。
しかしながら、売上、経費、利益の数値を比較したことがない、という企業も中小零細企業では少なからずあると思われます。
まずは、前年同期と比べてみるだけでも、意味があると思います。比べてみると、なんでこんなに当期は消耗品費が増えたのかなあとか、なんで今月は前年同月に比べると売上がガクッと減ったのかなとか、「なんで?」という疑問が生まれ、調べたくなってきます。
疑問が生まれれば解消したくなり、疑問を解消したくなるというのは前向きなエネルギーです。起業した以上は、売上や利益を伸ばしたいものだし、ある程度伸びたらさらなる成長を求めるもよし維持するもよし、いずれにしても「比較」は企業を成長・維持する第一歩といえます。
ところで、当事務所のクライアントでお店(小売り、現金商売)をしている方がいて、売上高の推移を観察するにあたり、前年同日とも比較したらもう少しはっきりとした傾向や問題点が浮かび上がってくるのではないかと思い、前年同日比較をしてみました(前年同月比や前期比は監査実務に従事しているときから作ってきていますが)。
もっとも曜日によって売上が変動するので、前年同日ではなく(曜日がずれてしまうので曜日がずれないように)「今年のその日と、前年における対応する同じ曜日の日」〜「前年同曜日」とでも表現すればいいでしょうか〜で比較してみました。以下の図のようになりました(ブログ用に一部のみ抜粋しつつ、数字は架空のものとしています)。
今年の10月9日(月)に対応する前年同曜日は、10月10日(月)となります(以下同様)
このように「前年同曜日」で比較すると次のようなことが見えてきます。
- どの日も同じように伸びているか、あるいは減っているか
- 特定の曜日、日、週、だけが減ったり伸びたりしているのかどうか
上の例でいうと、概ね増加基調にあるといえるものの、月曜日の売上が減少したのはなぜか、木曜日はどうか、天気の悪化が影響して客足が鈍ったとか、近くの競合する店でセールなどキャンペーンをしていたのかとか、要因を分析しやすくなります。
小売店では何も新しい打ち手がなければ前年よりも売上が落ち込むという一般的傾向もあるようですが、増加基調にあるならば、増加基調を実現するための「打ち手」が奏功しているといえるでしょう。
日々売上のある「お店」にとっては、毎日、前年同日(対応する前年の同じ曜日)と比較することに意義があります。同日の売上を一昨年以前数年にわたって比べて、傾向を把握することも意義があります。己(自分の店)を知るための過去の会計データ活用です。
〈一日一新 Today’s New Things〉
11月13日(月)
新百合ヶ丘でよくランチを購入する昭和音大北校舎にクレープのキッチンカーが来ていたので、初めてそのキッチンカーから購入する(バナナキャラメルクレープ)
鶴川駅前のスターバックスに行く(ブログを書いていました)
11月14日(火)
Excelでスパークラインを使ってみる(クライアントの月次推移表を作成しながら直感的に数値を理解するのに役立つと思い)
(本投稿の執筆時間 55分)