法人成りの重要なメリットとしての「役員報酬」について

9月22日(金)夜、新百合ヶ丘でセミナーをすることにいたしました。詳細は後日リリースいたしますが、法人設立・法人成りについて、税金の話をメインとしてお話しする予定です。

これにちなんで本日のブログは、法人成りの税金上のメリットとして重要なもののひとつ、役員報酬についてお話しします。

以下の図をご覧ください。真ん中付近の余白より左側に<個人事業の事業主>、右側に<会社の代表取締役>とタイトルしていますが、ビジネスを個人事業として行った場合と、会社として行って会社から役員報酬をもらった場合を比較しています。

個人事業では、売上収入はすべて事業主個人のものです。経営の上では、一定の期日に一定の額を家計に入れるのが望ましいのですが、任意の時期に任意の金額を家計に入れることができます。ただし、家計に入れた(充当した)額が所得税の計算上、必要経費として認められることは無く、すべて(売上収入から必要経費を差し引いた残額に含まれて)所得税の課税の対象になってしまいます。

これに対し、会社(株式会社や合同会社が代表的)では、売上収入はすべて会社のものになり、代表取締役(役員)のものにはなりません。代表取締役は、会社から経営という仕事の対価として、役員報酬を受け取る(ことによって、家計に資金が充当される)ことになります。

会社で事業をする場合は、会社にかかる法人税と、会社の役員個人にかかる所得税の2つを考える必要があります。

法人税の計算では、一定の条件を充たせば(一定の条件のうちのひとつが、毎月一定の日に同額を役員報酬として支給すること(定期同額給与という))、役員報酬が経費として認められます。個人事業では家計に充当しても経費として認められないのに比べると大きな違いと言えます(任意の時期に任意の金額を支給してしまうと、一定の条件を充たさず、経費として認められなくなる)。

ここでは、話を単純化するため、役員報酬支給後の会社の(税金の対象となる)利益はゼロとし、法人税もゼロになるとします。

次に、所得税の計算では、会社から支給された役員報酬は、役員個人の給与所得として課税されることになるのですが、給与所得控除額という一定の金額が差し引かれた残額が、課税の対象となります。上の図では、給与所得控除額210万円が差し引かれ、残額690万円に所得税がかかることになります。

役員報酬における、一定の条件を充たした場合に法人税の計算上、売上から差し引ける点、また役員個人の給与所得控除額は、法人成りを税金面で考える際のポイントになります。

(本投稿の執筆時間 78分)

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